ニュース 電子 作成日:2018年3月22日_記事番号:T00076130
グーグルは21日、台湾の産官学と提携し、AI(人工知能)人材、経済、生態系(エコシステム)を構築する「智慧台湾(インテリジェント台湾)」計画の始動を宣言した。まず、人材育成から開始し、今後1年以内にAI人材5,000人以上、デジタルマーケティング人材5万人の育成を目指す。年内にデータセンター第4期にも着工する。台湾は、グーグルが掲げる「AIファースト」戦略の重要拠点と位置付けられたことで、AIのソフト・ハード両面で先行メリットを得られそうだ。22日付経済日報などが報じた。
グーグル台湾は今年、AI研究開発をはじめ300人以上を雇用すると宣言した。過去最大規模の求人だ(同社ブログより)
グーグル台湾の簡立峰董事総経理は、台湾はAIで必要となるソフト・ハード部隊、クラウドインフラストラクチャーの3要件がそろっており、グーグルにとってアジア最大の研究開発(R&D)拠点だと指摘した。
ネットとリアルで各種講座
簡総経理は、グーグルの「インテリジェント台湾」は最も重要な人材育成から開始すると説明した。▽AI人材▽デジタルマーケティング人材▽コンテンツ制作人材──から成る。
AI人材育成については、台湾のAI学術研究者が、グーグルの世界各地のAI専門家と交流するための「AIイノベーションキャンプ」を台湾大学、清華大学、交通大学、成功大学の4校で開催すると説明した。簡総経理は、第1回は今夏、5日間開催する予定で、講師は中国語能力を優先条件とし、グーグルの囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」開発に貢献した黄世傑博士が候補だと明かした。
また、大学や中学などの教官や教師、資訊工業策進会(資策会)産業情報研究所(MIC)の講師向けに、北部、中部、南部で、グーグルの機械学習が無料で学べる集中コースを設ける。これにより、AI教育の普及を進める。
デジタルマーケティング人材育成については、デジタルマーケティングを無料で学べる「デジタルガレージ」の台湾版を始める。中小企業や学生、求職者が好きな時に好きな場所でオンライン学習ができる。オンライン学習以外に、1年間のトレーニングコースを台中市と台南市で開講する。中華民国対外貿易発展協会(外貿協会、TAITRA)や台湾数位媒体応用行銷協会(デジタル・マーケティング・アソシエーション、DMA)では、中小企業向けのコースを開講する。
コンテンツ制作の人材育成については、グーグルのYouTube(ユーチューブ)のコンテンツ制作やYouTubeチャンネル運営が学べるオンラインコースを設ける。政治大学や世新大学などで実際のコースも開講する予定だ。
従来型産業でもAI導入
台湾ハイテク大手のほか、従来型産業でもAI技術を導入し、成功しているケースがある。
バーバリーやコーチなどの高級ブランドに布地を供給している和明紡織(HMTM)の李佳憲戦略顧問は、昨年からグーグルの提携パートナー、クラウドマイルのコンサルティングを受け、布地の柄の数万点をデータ化し、機械で自動判別できるようにしたことで、海外のデザイナーとのコミュニケーションギャップが減り、時間と労力を削減、生産効率が向上したと話した。
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