ニュース 社会 作成日:2018年3月26日_記事番号:T00076175
新竹県の企業で研究開発(R&D)部門の総経理を務めていた女性が、2014年に同社を解雇されたことに腹を立て、会社から支給されたノートパソコンに保存していた研究データ1万4,882件を消去してしまった。女性はこのほど、他人の電磁記録を不当に消去した罪で起訴された。
検察の調べによると、被告は13年より新竹生物医学園区(新竹県竹北市)の企業でR&D部門の総経理を務めており、会社から支給されたノートPCに同社が開発中の製品に関するソースコード、レイアウト図、電子回路図、規格など企業秘密に当たるデータを保存していた。
その後、被告が14年3月より、会社の同意を得ず、USBメモリーやハードディスクドライブ(HDD)にデータをコピーし、競合企業に提供していたことが発覚。同社はただちに被告を解雇した。
14年6月、離職当日の午後5時過ぎ、ノートPCの返却を含む離職手続きを進めていた際、被告は「プライベートな画像を削除したい」との理由でPCを起動させた上で、会社が指定した引き継ぎ担当者が目を離した隙に、内部に保存していた全ての研究データを消去。巨額の資金を投じて蓄積した研究成果がわずか15分の間に無に帰してしまった。
被告の行為に気付いた会社はすぐに捜査機関に通報したが、取り調べに対し被告はデータの消去を認めた上で、消去したのは個人的な資料と上司から削除を命じられた重要ではないデータだけだと主張した。
しかし当の上司はデータの削除は指示していないと証言。また被告の行為によって同社が被った損失が大規模なものとなったことから検察は起訴を決めた。
この企業は、大切な開発データを被告のPCのみに保存していたことから大惨事となってしまったようだ。彼女に法的責任を取らせたとしても、社員が心血を注いで蓄積した研究データは戻って来ない。情報セキュリティーには万全を心掛けたいものだ。
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