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鴻海、デルのノートPC初受注


ニュース 電子 作成日:2008年5月22日_記事番号:T00007627

鴻海、デルのノートPC初受注

 
 鴻海精密工業がノート型パソコン(ノートPC)で世界3位の米デルより、コンシューマ向けノートPCを大量に受注し、来年第1四半期に出荷することとなった。鴻海がデルのノートPCの受託生産を行うのは初めてで、同社は高い技術力によって受注を伸ばす可能性が高く、ノートPC受託生産業界の勢力図が書き換えられるという観測が出ている。22日付経済日報が報じた。
 
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 鴻海への発注決定には、業界世界1位から3位に滑り落ち、販売やOEM(相手先ブランドによる生産)戦略を見直さざるを得なくなったデル側の事情があるようだ。

 同社はこれまで、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、緯創資通(ウィストロン)を主なOEMの発注先としており、昨年は一度、和碩聯合科技(ペガトロン)にも少量を発注した。今回は経済規模とコスト優位性に着眼し、鴻海、そしてシンガポールのフレクストロニクス・インターナショナルを新たなOEM先に選定した。世界の2大EMS(電子機器製造受託サービス)が、世界5位以内の大手ノートPCブランドメーカーから発注を受けたのも今回が初めてだ。

 デルのノートPCの年間発注台数は約2,000万台で、今後は従来の主要受託メーカー主要3社と、鴻海、フレクストロニクスを合わせた5社でこれを分け合うことになる。

来年は2倍以上に

 ある証券会社によると、鴻海の今年のノートPCの出荷量は300万台を超えるとみられ、デルからの受注により来年は2倍以上に成長する可能性がある。

 鴻海集団傘下には、マグネシウム合金製品などの鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)、パネルの群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、無線ネットワーク製品の建漢科技(サイバータン・テクノロジー)、プリント基板(PCB)の広宇科技(パン・インターナショナル)など、部品の設計・生産に優れた実力を持つ企業が名を連ねており、既存のノートPC受託業界を緊張させている。

 鴻海自身もノートPC受託生産への関心は高く、ゴールドマンサックス証券の金文衡アナリストによると、既にヒューレット・パッカード(HP)、宏碁(エイサー)、聯想(レノボ)、アップルなどのブランドメーカーに接触しているという。

 経済日報によると、デルは今後3年間ですべての工場を売却する計画で、ある業界関係者は、鴻海が欧州、北米、アジアのこれらの工場を引き受けるかどうかが、両者の提携の進展に関する次の観察指標になると指摘している。