受動部品最大手、国巨（ヤゲオ）傘下のインダクター大手、奇力新電子（CHILISINエレクトロニクス）は30日、代理販売業者に対し、同日より高周波インダクターのうち、主にマザーボードやネットワーク機器で使用される「CLH1608T」シリーズ製品の価格を45～68%値上げすると通達した。値上げの理由について奇力新は、原材料価格および人件費の継続的上昇による経営コストの大幅な増加と説明したとされる。31日付工商時報が報じた。
業界関係者によると、CLH1608Tシリーズ製品の需要は増えていないものの、メーカーの撤退や減産が続き、供給量が縮小。現在は奇力新の他、非上場企業の鈺鎧科技（マックス・エコー・テクノロジー）および中国メーカー２社などのみとなっている。
なお観測によると、奇力新にとってCLH1608Tシリーズの売上高構成比は高くないものの、長期にわたりほぼ利益が出ない状況となっていたが、今回の価格調整により収益への貢献が見込まれる。
