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Gogoroがモバイル充電器、標準規格視野に補完


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2018年3月31日_記事番号:T00076308

Gogoroがモバイル充電器、標準規格視野に補完

 電動バイク最大手、睿能創意(Gogoro台湾)は30日、バッテリー用モバイル充電器「ゴーチャージャー・モバイル」を発売した。自宅などコンセントがある場所でどこでも充電が可能で、バッテリー交換ステーションや充電ステーションが少ない地域でも、バッテリー切れの不安から解消される。台湾政府が、交換式と充電式のいずれを電動バイク用バッテリーの標準規格として推進するのか注目される中、充電システムを補う策に打って出た。31日付経済日報などが報じた。

/date/2018/03/31/00ev_2.jpgゴーチャージャー・モバイル。Gogoroは世界で唯一、バッテリー交換・充電いずれにも対応したとアピールした(30日=中央社)

 「ゴーチャージャー・モバイル」は、110ボルト(V)のコンセントに対応する。6時間の充電でバッテリー残量が82%増える。充電1時間当たり15キロメートルの走行が可能だ。販売価格は4月末まで2,980台湾元(約1万1,000円)で、定価は3,980元。6月下旬から出荷を開始する。Gogoro2対応で、初代Gogoroは使用できない。

 陸学森(ホレイス・ルーク)執行長は、電動バイクに最適なソリューションと考え、当初よりバッテリー交換式にこだわってきたが、地方などのバッテリー交換ステーション不足に対応し、海外市場展開を加速するためにも方針転換したと語った。その上で、同社は台湾のサプライヤー50社以上と共に、市場規模が台湾の17倍に上る東南アジアへの生産拠点を設置を計画していると明らかにした。

交換ステーション、東部3県市に

 同社は同日、バッテリー交換ステーション「ゴーステーション」のアップグレードも発表した。停電が起きても48時間は電源を確保してバッテリー交換サービスを提供し続けることができる。また、AI(人工知能)技術導入で、オフピーク時は省電力に切り替わり、ピーク時にフル充電のバッテリーと交換できない事態を防ぐ。また、来年第1四半期までに宜蘭県、花蓮県、台東県に進出し、台湾の全県市で販売、メンテナンス、バッテリーサービスを提供すると表明した。

 同社は、初代Gogoro発表から3年で、ユーザー6万人以上が計2億キロ以上を走行し、バッテリー交換は延べ1,000万回を超えており、台湾全土に520基以上ある「ゴーステーション」が台湾の電動バイクにとって最適のソリューションだと強調。Gogoroが台湾の標準規格に最も適しているとアピールした。

 陸執行長は、年初にGogoroのバッテリー交換システムのライセンス無償化を発表後、複数のバイクメーカーから経済部工業局経由で問い合わせがあったことも明かした。

標準規格、2種類選択も

 Gogoroのバッテリーは、充電にも対応しているが、あくまでバッテリー交換がメーンだ。一方、バイク最大手の光陽工業(KYMCO、キムコ)は先週発表した電動バイクソリューション「ionex車能網(アイオネックス)」で、自宅で充電し、緊急時は交換可能とうたっており、充電がメーン、交換がサブの位置付けだ。市場では、工業局は今年6月に台湾の標準規格として、バッテリー交換式と充電式の双方とも採用するとの見方も出ている。