ニュース 電子 作成日:2018年4月2日_記事番号:T00076332
2日付経済日報がサプライヤーの情報を基に伝えたところによると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術を初めて導入する第2世代の7ナノプロセス(7ナノプラス、7ナノ強化版)の試験生産ライン設置時期を今年末へと、従来計画より四半期早める。これによってサムスン電子に並ぶか追い抜くことになり、アップルの次世代プロセッサーでも独占受注を狙う。
TSMCは、新竹科学工業園区(竹科)に設置した小型の7ナノプラス試験生産ラインが好調なため、下半期に試験生産ラインを設置する予定のようだ。年末に中部科学工業園区(中科)でリスク生産を行い、来年量産する計画とされる。
TSMCは、20ナノ、10ナノ、7ナノの製造プロセスで、アップルのプロセッサー受注を独占した。ライバルのサムスンは、アップルからの受注獲得に向け、従来の液浸露光装置に代わり、7ナノプロセスにEUV露光装置を先行導入する計画だった。TSMCのEUV技術導入を妨げるため、オランダの半導体製造装置大手、ASMLのEUV露光装置の生産能力1年分をほぼ買い占めるはずが、昨年末を予定していたEUV導入計画が遅れており、ASMLからEUV露光装置の発注を差し戻されている状況だ。
TSMCは7ナノプラスに続き、19年下半期に5ナノプロセスの試験生産を開始し、20年に量産する計画だ。
InFO拡大でASCなど打撃
サプライヤーによると、TSMCはアップルの次世代プロセッサーのため、中科でも集積ファンアウト(InFO)型ウエハーレベルパッケージ(FOWLP)を行うことを決めた。
2年前に終了した太陽電池工場を活用する。投資計画は既に科技部の科学園区投資審議委員会の審査を通過しており、設備搬入を急いでいる。これにより、TSMCのFOWLP生産能力は倍増する見通しだ。
TSMCはこれまで、16年にクアルコムから購入した桃園市龍潭区の工場で、半導体製造から封止までの一貫サービスを行い、アップルのプロセッサー「A11」と「A12」の独占受注に成功した。龍潭の封止工場はフル稼働となっている。サプライヤーによると、TSMCは龍潭工場でも設備を大量に追加購入しており、月産能力は13万枚へと従来の10万枚から拡大する予定だ。龍潭工場の第2期拡張もあり得る。
業界では、TSMCのFOWLP拡大は、後工程を外部に委託せず、自社で行う方針の表れで、顧客が増加し、売上高も増えると予想されている。これにより、設備メーカーや材料メーカーは恩恵を受けるが、後工程のパッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)や矽品精密工業(SPIL)は打撃を受ける見通しだ。
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