ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

ハイウィンと三菱電機、スマートファクトリーで提携


ニュース 機械 作成日:2018年4月10日_記事番号:T00076386

ハイウィンと三菱電機、スマートファクトリーで提携

 工作機械部品大手、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)は9日、三菱電機とCNC(数値制御装置)の技術・販売分野での提携を発表した。中国市場で「中国製造2025(メード・イン・チャイナ2025)」が推進される中、スマートファクトリー商機を日台大手で共同開拓する。10日付工商時報などが報じた。

/date/2018/04/10/hiwin1_2.jpg

 両社は同日上海で始まった「2018中国数控機床展覧会(CCMT)」で、三菱のハイエンドCNCにハイウィンのC軸/AC軸、およびハイウィン子会社の大銀微系統(ハイウィンマイクロシステム)のダイレクトドライブモーターを搭載した製品を発表した。卓永財ハイウィン董事長は、欧州の工作機械大手は既にダイレクトドライブモーター搭載のC軸/AC軸を使用している一方、日本、台湾、中国を含むアジアのメーカーは依然、バックラッシュのあるウォームギヤ製品にとどまっていると指摘。欧州大手の、従来のXYZ軸に2つの旋回軸を加えた「5軸工作機械」はFA(ファクトリーオートメーション)に不可欠で、特に中国市場で需要が大きいと期待感を示した。中国では「中国製造2025」の推進に伴い、複合加工およびスマート製造の準備として、工作機械や電子設備の量産に高精度ダイレクトドライブモーターが使用され始めており、ハイウィンと三菱の提携の契機となったと説明した。

日本開拓に成功

 三菱電機との提携について卓董事長は、「われわれの努力が日本人に受け入れられた結果だ」と胸を張る。4年前、ある日本の自動車メーカー大手から製品サンプルが認定を受けたが、その後は一切受注がなく、日本製品を信頼する日本産業界の習慣にため息をつくしかなかった。

 しかし昨年、ボールねじとリニアガイドが世界的な供給不足に陥った際、自動車から印刷機械、半導体後工程設備まで、あらゆる分野の日本メーカーがハイウィンに調達を打診。同社のリニアガイド価格は最近では世界市場1位のTHKを上回っている。昨年12月には、ハイウィンの日本経済新聞社の日経アジア300指数で時価総額増加率ランキングで1位となり、日本の大手メディアからもアジアナンバーワンの成長企業として認められた。卓董事長は「10年以上頑張ってきた結果だ」と語っている。

顧客に予約金要求

 ハイウィンは3月連結売上高が前年同月比48.84%増の23億8,500万台湾元(約87億6,000万円)と単月ベースで過去最高、第1四半期連結売上高も前年同期比52.37%増の65億5,200万元と四半期ベースで過去最高を記録した。手元の受注は満杯で、最近顧客に対し、発注の際に3割の予約金支払いを求めたという。工作機械業界では異例のケースだ。

 卓董事長によると、今年の受注は早くも満杯で、受注見通しは来年上半期まで立っている。今年は通年で連結売上高250億元以上を目指す。

【図】