ニュース 社会 作成日:2018年4月10日_記事番号:T00076409
ビットコインなど仮想通貨が世界的に注目を集めているが、仮想通貨の採掘(マイニング)には四六時中マイニング装置を稼働させる必要があり、稼働にかかる電気料金を抑えることができれば、その分、利益が増えることになる。こうした中、世界的に見て電気料金の安い台湾にマイニング専用施設(マイニングファーム)を設置する動きが出ている。しかしこれが進めば、台湾で問題となっている電力の供給不足がさらに深刻化する恐れがあるため、台湾電力(台電、TPC)は警戒感を強めている。
仮想通貨ニュースサイトのDigiconomistによると、ビットコインのマイニングにかかわる電力消費量は昨年の10.9テラワット時(TWh)から現在は59.6TWhに急増。これは米国の家庭550万世帯分に相当し、コロンビアやクウェート1国の消費量を上回る規模となり、マイニングの電力消費の大きさがうかがえる。
なお現在、世界に設置されているマイニングファームを国・地域別に見ると、比較的電気料金の安い中国が全体の約8割を占めている。しかし台湾の電気料金は、一般家庭用、工業用とも中国より安く、特に家庭用は1キロワット時(kWh)当たり2.4944台湾元(約9.2円)と世界で2番目の低水準となっている。
さらに中国では最近、ビットコインを含む仮想通貨の発行および取引に対する規制が強まる中、マイニングファームの台湾移転が進む可能性が高まっており、中央銀行の楊金龍総裁も先ごろ、台湾におけるビットコインのマイニングコストは世界でも3番目に低く、電力問題への影響を注視すべきと提言した。
そんな中、昨年5月には嘉義県で、トタン張りの小屋内にマイニングファームを設置し、TPCから盗み取った電力で稼働させるという事案が発覚。TPCと警察の調べによると、小屋の中では約50台のコンピューターを使ってマイニングが行われており、年間約178万元分の電力を使用していたという。
今後、台湾でマイニングファームの設置が進むかどうかは不明だが、「世界的に見て電気代が安い」という事実が知れ渡れば安全ではない。各地で異常な電力使用がないかどうか、当局が目を光らせる日々が続きそうだ。
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