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HomePod不振、台湾供給網に打撃


ニュース 電子 作成日:2018年4月12日_記事番号:T00076437

HomePod不振、台湾供給網に打撃

 アップルのスマートスピーカー「HomePod(ホームポッド)」の販売が不振で、3月出荷実績が20万台水準にとどまったもようだ。今年第2四半期は当初、単月出荷台数50万台が予測されていたものの、各月とも20万台以下に落ち込むとみられる。台湾サプライヤーにとって期待外れの状況となっている。12日付工商時報が報じた。

/date/2018/04/12/00homepod_2.jpgHomePod。部品の単価が高く、台湾サプライヤーの業績を押し上げるとみられていた(同社リリースより)

 アップルは今年2月のHomePod発売に向け、昨年11月から調達を開始。調達規模は今年1月まで3カ月連続で50万台規模を維持した。

 しかし、アマゾン・ドット・コムの「Amazon Echo Dot(アマゾン・エコー・ドット)」やグーグルの「Google Home Mini(グーグル・ホーム・ミニ)」など、ライバルのスマートスピーカーの実勢価格が30米ドルを切る中、HomePodは349米ドルの価格が高過ぎると批判を浴びた。また、機能が期待を下回り、「Apple Musicの音楽を流すだけ」との評価を受け、販売が上向かない状況が続いている。アップルは低価格版のHomePodを発売する計画とも伝えられるが、早くても今年第4四半期になりそうだ。

台郡、Q1売上高半減

 HomePodは、英業達(インベンテック)が組み立てを担当している他、瑞儀光電(ラディアント・オプトエレクトロニクス)がトップカバーモジュールの組み立てを、良維科技(ロングウェル)が連結コードを、台郡科技(フレキシウム・インターコネクト)がフレキシブル基板(FPC)を供給するなど、台湾サプライチェーンが支えている。この他、外面の3D(3次元)メッシュを力麗企業が、充電ケーブルの結束バンドを台湾百和工業が提供している。

/date/2018/04/12/homepod_2.jpg

 これらの企業のうち、ラディアントは今年第1四半期売上高が112億1,800万台湾元(約410億円)と、前期比24.25%減、前年同期比9.27%減少した。HomePodのトップカバーモジュールの3月出荷は20万台余りと前月比で4割減少した。

 インベンテックは第1四半期売上高が1,048億1,000万元で前期比21%減。台郡科技(フレキシウム・インターコネクト)は54億6,300万元で前期からほぼ半減となり、HomePod不振の影響を受けているようだ。

市場規模、今年5500万台へ

 なお、市場調査会社、カナリスによると、2017年のスマートスピーカーの世界出荷台数は3,000万台以上で、前年実績の700万台の4倍以上に上った。今年は5,500万台に達するとみている。HomePodは従来予測では今年の出荷台数600万~800万台で、市場シェア10~15%を獲得するとみられていた。

【表】