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記事番号:T00076462
2018年4月13日15:52

 13日付工商時報によると、受動部品の供給不足が深刻化しており、電子機器の受託生産メーカーが確保に追われている。業界からは、一部のメーカーでは既に製品の生産が休止に追い込まれたといった声も聞かれる。

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 抵抗器、コンデンサーといった受動部品は、スマートフォン1台、ノートパソコン1台当たり600~1,200個が使用される。コスト面では部品全体に占める割合は2%以下にすぎないが、1個欠けても生産に支障が出る。

 受動部品は2010年の値上げによって市場が長期低迷した結果、多くのメーカーが生産を抑制。16年にはTDKが汎用の積層セラミックコンデンサー(MLCC)から撤退した。

 こうした中、17年前後より携帯電話の第3世代移動通信(3G)から4Gへの移行、カーエレクトロニクスの高度化、仮想通貨の採掘(マイニング)装置、モノのインターネット(IoT)など新たな分野が盛り上がりを見せたことで受動部品の需要が一挙に拡大。村田製作所や京セラなどの大手が、コスト要因から一部の汎用製品の減産、生産停止を決めたこともあり、供給逼迫(ひっぱく)と価格高騰が進んだ。台湾最大手の国巨(ヤゲオ)は昨年より、断続的に製品の値上げを行っている。

EMS3社、一部生産停止か

 ノートPCなどを受託生産している仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、部品価格と供給の動きの把握に非常に長けていると定評がある。その同社の陳瑞聡総経理が「既に生産ラインを停止させたメーカーがある」と供給不足の深刻さを語った。業界観測によると、台湾のEMS(電子製品受託製造サービス)6社のうち、3社以上が受動部品の供給不足によって一部の生産ラインが停止しているという。

 和碩聯合科技(ペガトロン)は供給が断絶した場合、利益の薄い製品の生産ラインを止めて、重要顧客や利益の出る製品のラインに優先的に受動部品を回す方針だ。同社は廖賜政執行長自らが受動部品調達の任に当たり、村田製作所や太陽誘電に供給を呼び掛けている他、韓国・サムスン電機(SEMCO)にも人員を派遣して製品確保に努めている。

供給不足、「20年まで」

 SEMCOは先週、値上げを発表するとともに、汎用MLCCの生産拡大を決めた。同社はMLCCの供給不足は20年まで続くと予測している。これは村田製作所やヤゲオよりも厳しい見方だ。

 今や大手、中堅を問わずあらゆる関連企業が受動部品の確保に血眼になっており、アップルやデルは今週、関連人員を台湾に派遣。中国・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)も数週間前、この問題のために台湾に社員を派遣している。

 調達力が大手EMSに劣る中堅メーカーは今回、あらかじめ受動部品の在庫を確保する作戦を採っている。

 神脳国際(セナオ・インターナショナル)傘下の神準科技(セナオ・ネットワークス)は6カ月分の在庫を準備。ネットワーク機器メーカーの明泰科技(アルファ・ネットワークス)は、顧客からの受注に当たって受動部品の使用量を予測して在庫を準備。産業用PC(IPC)の神基科技(ジェタック・テクノロジー)も今年末までの在庫を確保している。

【表】

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