ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2018年4月18日_記事番号:T00076541
財務部関務署は17日、中国製の鉄鋼製品5項目に対し、反ダンピング(不当廉売、AD)関税、および中国政府の補助金に対する相殺関税の適用是非を判断する調査を進めると発表した。台湾から輸入する鉄鋼製品に中国産原料が使われているとの米国側の疑念を解消し、米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税措置で適用除外を狙う。18日付経済日報などが報じた。
謝鈴媛・関務署副署長は、生産の各過程で過度の補助金を受けた中国の低価格鉄鋼製品が、台湾に流入して鉄鋼業界に悪影響を与えている可能性を指摘。台湾は意図せず米中の貿易戦争に巻き込まれたとして、ADと相殺関税適用の2項目の調査の必要性を強調した。台湾において政府がAD調査を主導するのは今回が初めて。従来は企業の被害申告に基づいて行っていた。
調査対象の5項目のうち、「特定めっきおよびめっき合金製品」「炭素鋼板」「ステンレス冷延製品」の3項目は既にAD税を課徴しており、相殺関税の適用調査のみを行う。「ステンレス熱延製品」と「特定炭素鋼冷延製品」の2項目はAD税と相殺関税双方の適用調査を行う。8月初旬に仮決定、10月初旬に最終決定のスケジュールを見込んでいる。
米国は3月23日、通商拡大法第232条に基づき、メキシコ、カナダ、欧州連合(EU)、韓国など7カ国・地域を除いて、鉄鋼とアルミニウムに対し各25%、10%の追加関税を課すと発表。台湾政府は中国産原料の排除によって同措置の適用除外を目指すと表明していた。
鉄鋼業界、賛否分かれる
関務署の発表に対し、台湾業界の反応は賛否が分かれてる。義聯集団(Eユナイテッド・グループ)傘下の燁輝企業(YP)や、裕鉄企業、天声工業などが歓迎の声を上げた一方、台湾にとって諸刃の剣となりかねないと懸念する意見もある。
これは中国が台湾鉄鋼業界にとって重要な輸出市場でもあるためで、中国側が台湾鉄鋼メーカーへの対抗制裁措置を取った場合、対中輸出に悪影響が出るのは確実なためだ。また、ある鉄鋼加工業者は、「米国から適用除外を受けるためには、米国に輸出する鋼材の原料を厳しく管理すればよい。鉄鋼を使用する台湾の膨大な業界の、低価格鋼材を使う権益が影響を受けてはならない」と述べ、原材料のコスト上昇に警戒感を示した。
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