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中国製造2025、台湾企業5社を選定


ニュース その他分野 作成日:2018年4月26日_記事番号:T00076696

中国製造2025、台湾企業5社を選定

 中国が「製造強国」を目指して推進する産業政策「中国製造2025(メード・イン・チャイナ2025)」で、鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の鴻富錦精密電子(鄭州)と訊芯電子科技(中山)がグリーン(環境保全型)製造企業の指定を受けるなど、計5社が同プロジェクトの対象企業に選ばれたことが明らかになった。5社は中国政府から税制や投資面での優遇措置を受けられ、商機獲得に有利となる見通しだ。26日付経済日報などが報じた。

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 台湾企業5社の「中国製造2025」の対象企業選定は、馬暁光・国務院台湾事務弁公室(国台弁)が定例記者会見で発表した。

 「グリーン製造」は「中国製造2025」の中で、「9つの戦略任務」と「5つの重大プロジェクト」に組み込まれており、先進省エネルギー技術、技能、設備の研究開発(R&D)を強化して、製造業における資源の利用効率を高めることで競争力強化を目指すものだ。

 鴻富錦精密電子(鄭州)は傘下の富陽新能源科技(南陽)が2015年より太陽光発電に注力している。アップルがサプライチェーンに対し、環境保全を重視した生産を義務付けていることが背景にあり、鴻海はスマートフォンiPhone生産におけるグリーン製造の割合向上に協力するため、太陽光発電でアップルとの提携深化を進めているとみられる。

ジニアス、モデルプロジェクトに

 光学レンズ大手、玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO)は、福建省廈門(アモイ)市のスマート工場が、スマート製造拠点のモデルプロジェクトに選定された。ジニアスもアップルの重要サプライヤーだ。同社は近年、生産量拡大、効率向上を目的に、自動化を推進している。

 また、産業用IoT(モノのインターネット)を推進する「工業互聯網産業聯盟(AII)」に鴻海傘下の富士康科技集団と英業達(インベンテック)の参加が決まった。インベンテックは近年、産業用IoTに注力しており、今年設立した士林AI(人工知能)センター、天津のインダストリー4.0(第4次産業革命)R&Dセンター、傘下の英華達(インベンテック・アプライアンシズ)の第5世代移動通信(5G)R&Dセンターの3大R&D拠点は、いずれもIoTに関係している。

米国は警戒

 なお、中国と貿易摩擦を深める米国のロス商務長官は24日、「中国製造2025」は米国の知的財産権に危機を及ぼす恐ろしい計画との認識を示した。

 ロス長官は、中国は「中国製造2025」で、航空宇宙、通信、ロボット、電気自動車(EV)などの注目産業で世界首位に立つことを狙っていると警戒感をあらわにした上で、中国がハイテク技術を盗み続けることを「非常に大きな問題」と指摘した。

 ライトハイザー米通商代表も、米国が関税を強化する中国製品は主に「中国製造2025」プロジェクトのものが対象と表明したことがあり、米国は同計画に対する警戒心が非常に強いことがうかがえる。

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