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記事番号:T00076748
2018年4月30日15:52

 カーエレクトロニクス用プリント基板(PCB)世界最大手、敬鵬工業(チンプーン・インダストリアル)の桃園市平鎮区の工場ビルで28日午後9時半ごろ、大規模な火災が発生し、同社のタイ人労働者2人と消防士5人の計7人が死亡、7人がけがをした。チンプーンは多層PCBを生産するP2、P3エリアが焼け、月間3億台湾元(約11億円)の減収となるものの、他工場による生産支援などによって損失幅を1億5,000万元まで圧縮できると説明。受注喪失やサプライチェーンの断絶といった事態には至らないと強調した。30日付工商時報などが報じた。

/date/2018/04/30/00top_2.jpg炎を上げて燃えるチンプーン平鎮工場(29日=中央社)

 チンプーンは桃園、平鎮、中国・常熟(江蘇省)、タイに工場を構えており、平鎮工場は総売上高の3割を占め、今回火災に遭ったP2、P3エリアは平鎮工場の売上高の半分を占める。両エリアは、ダッシュボードパネルや安全関連など自動車向けPCBを生産しており、同社は復旧までに短くても半年、長ければ1年以上かかると見通しを示した。同工場には他にP1、P5エリアがあるが、これらには被害は出ていない。

 火災は発生から40時間以上が経過した30日午後2時過ぎに鎮火した。出火原因は現時点で分かっておらず、桃園地方法院検察署は29日夜、黄徳清工場長から事情聴取を行い、建物内部の構造や危険化学物品の保存場所などを把握した。工場内には軽油2,000リットル、その他の可燃物も保管されていたということで、消火作業が困難だった。

 労働部によると、チンプーンは2016年以降、計10件の労働基準法(労基法)違反や職業安全衛生設施規則違反を繰り返しており、桃園市政府は今回の火災が労働法令違反と関連がなかったか調べを進める予定だ。

急速な火勢、下敷きに

 火災では桃園市政府消防局の消防士5人が犠牲になった。今回の出火地点はビル5階のソルダーレジスト工程のエリアだったが、4階にあった軽油貯蔵タンクが損壊した結果、火が大量の軽油とともに猛スピードで下の階に広がったとみられる。これによって 大型機械を置いておいた2階の床が焼け落ち、消火活動のため1階にいた消防士たちが下敷きになって身動きが取れなくなり、煙を吸って窒息死したとみられる。

 消防士たちが胡英達・桃園市消防局長が現場に到着する前にビルの中に突入したのは、指揮の在り方に問題があったのではないかとの指摘が出ている。胡局長は30日午前、引責辞任した。台湾では15年1月にも桃園市新屋区で起きたボーリング場火災で6人の消防士が犠牲になっており、消防側は消火手順やルールの徹底、見直しが求められそうだ。

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