ニュース 電子 作成日:2018年5月7日_記事番号:T00076858
韓国設備メーカーの情報によると、中国・京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)と韓国・サムスン電子が、サムスンがBOEからテレビ用液晶パネルを調達し、BOE10.5世代工場の歩留まり向上に協力する提携に合意したもようだ。事実であれば台湾液晶パネル大手への影響が懸念される。6日付経済日報などが報じた。
サムスンは、BOEが10.5世代工場で生産したテレビ用液晶パネルを、ミドル~ローエンド製品用として調達。サムスンはこの見返りとしてBOE10.5世代の歩留まり向上に向けて技術支援を行うとされる。BOEは中国政府による政策的支援によって、液晶パネルの生産コストを業界水準よりも6割以上低減しており、サムスンへのオファー価格を大幅に割り引くもようだ。歩留まり向上は1~2四半期での実現が目標だ。
市場調査会社IHSマークイットの謝勤益(デビッド・シェイ)シニアディレクターは、BOEの歩留まり改善達成を前提条件として挙げつつ、韓国液晶テレビブランドによるBOEパネルの採用計画は、調達先を台湾パネルメーカーから切り替えることが狙いと指摘した。
経済日報は、実際にそうなった場合、友達光電(AUO)、群創光電(イノラックス)は生存圏が脅かされると指摘した。一方、サムスンがBOEから調達するのは、新興市場向けの32インチ液晶テレビ用などが中心のため、実質的な影響は限定的(微駆科技・呉金栄総経理)との見方も出ている。
メモリーでも提携か
経済日報によると、中韓は今後メモリーなどの半導体でも協力を行う方針だという。中国政府は最近、メモリー分野の投資奨励策を打ち出しており、IC設計大手の北京兆易創新科技(ギガデバイス)がサムスンと提携深化をめぐって交渉を行っていると伝えられる。具体的なメーカーとしては、南亜科技、旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル)、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)などが影響を受けるとしている。
台湾は既に太陽電池と発光ダイオード(LED)が、中国政府による自国企業への政策的優遇によってかつての競争力を失っており、経済日報は半導体までも試練にさらされる可能性があると報じた。
中国が韓国との提携を深めるのは、米国との貿易摩擦を乗り切る上で一つの手段といえる。政策的優遇によって高い競争力を持つ中国ハイテク企業は、今後も韓国メーカーによる大量調達を出荷先として狙う可能性が高く、台湾業界は動向を注視する必要がある。
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