ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

中華汽車が電動バイク新型車、Gogoroと正面対決


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2018年5月8日_記事番号:T00076883

中華汽車が電動バイク新型車、Gogoroと正面対決

 中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)は7日、来年に電動バイク「emoving」で125ccガソリン車に相当する新型車を初めて投入すると発表した。「10分の充電で最低40キロメートル走行」と長い航続距離をアピールし、同クラスを独壇場としている電動バイク最大手、睿能創意(Gogoro台湾)に挑む。8日付経済日報などが報じた。

/date/2018/05/08/00emoving_2.jpgCMCが発表した新型車のデザイン。Gogoroよりもスピード感のあるイメージだ(同社リリースより)

 新型車はブルーとグレーの配色で、流れるような未来感のあるデザインだ。Gogoroとの最大の差別化は、電池交換方式を排除して充電方式一本に絞ったことだ。

 同社は「専門的な検討の結果、電池交換方式はコストが高く、特定タイプの車両にのみ適用できる。将来、広く普及させる上で障害になる」と電池交換方式を見切った理由を説明。新型車は「屋外で急速充電、自宅でゆっくり充電」をコンセプトに、台湾中油(CPC)のガソリンスタンドや公共の場所に設置する充電ステーションを利用することで、充電コストはライバル企業のわずか3分の1で済むと説明した。また、当面目標とする航続距離は「10分間の充電で40~60キロメートルの走行」で、「コーヒーを買う時間で充電、運転を続けられる」と強調した。

 市場では、CMCがGogoroに正面から挑戦状をたたき付けたとみられている。ガソリンバイク最大手の光陽工業(KYMCO)も3月、充電システムの電動バイクソリューション「ionex車能網(アイオネックス)」を発表したが、充電場所は自宅がメーン、外部はサブとの位置付けでCMCとは発想が異なる。台湾の電動バイク市場は当面、Gogoro、KYMCO、CMCがそれぞれの充電方式の優位性をアピールしつつ競争する三つどもえ状態となりそうだ。

「競争を歓迎」

 シェア独占を脅かそうとするCMCに対し、Gogoroの陳彦揚マーケティングディレクターは「消費者にとって良いことだ」と述べ、市場のパイ拡大につながると歓迎意向を示した。Gogoroの4月販売台数は4,342台で、前年同月の約5倍に増えた。バイク市場全体に占めるシェアも過去最高の7.37%に達し、躍進が続いている。

販売網100店へ

 CMCの新型バイクは販売価格7万台湾元(約25万6,000円、行政の補助金含まず)を予定しており、Gogoro2よりも低価格をうたっている。

/date/2018/05/08/00top2_2.jpgemovingは今年、台中大隆店など専門ショップ5店を既にオープンした(同社リリースより)

 「emoving」の累計販売台数は5万台以上。昨年末時点で旗艦店2店と専門ショップ16店がある。販売強化に向けてCMCは、今年末までに台湾全土に旗艦店と専門ショップを計50カ所に整備、来年末までには100カ所に拡大する計画だ。傘下の自動車ディーラー、匯豊汽車や順益汽車も販売網に組み込む。