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記事番号:T00076908
2018年5月9日15:45

 新設のフルサービスキャリア(FSC)航空会社、星宇航空(スターラックス・エアライン)が8日創立記者会見を開き、張国煒董事長(48)が「10年で長栄航空(エバー航空)の現在の規模に追い付く」と壮大な目標を掲げた。アジア市場全体を視野にハイエンド顧客に注力し、中華航空(チャイナエアライン)、エバー航空の大手2社との正面対決を避けつつ規模拡大を追求する戦略で、路線就航後の展開に注目が集まる。9日付工商時報などが報じた。

/date/2018/05/09/00top1_2.jpgスターラックス創立を宣言する張董事長。「2年ぶりに帰ってきた」と語った(8日=中央社)

 張国煒董事長は、長栄集団(エバーグリーン・グループ)の創業者、張栄発氏の四男で、2016年に張栄発氏が死去した後、一族の後継者争いに敗れて長栄集団を去った。スターラックスの立ち上げは、台湾メディアでよく「王子の復讐」と表現されるが、張董事長は記者会見で「復讐のために航空会社を立ち上げるなど、代償が大き過ぎる。それに私はもうキングになった」と語った。

20年にも日本就航

 スターラックスの事業計画について張董事長は、エアバスA320neo機を当初10機導入し、20年初めからアジア路線に就航すると表明した。人気の高い日本を優先する他、タイ、インドネシア(バリ島)、ベトナム、シンガポール、フィリピンなどアジアに就航。21年末に米西海岸路線を開設し、以遠権問題がやや複雑な欧州は最後になると説明した。

 資金面について張董事長は、当初は銀行から借りた60億台湾元(約220億円)を運転資金とし、第2段階で第三者割当増資を実施、さらに早ければ25年までに株式公開(IPO)を果たすと説明した。既に出資に興味を示す外資もあると述べつつ、台湾資本、外資に限らず出資を歓迎すると表明した。資本金は業務規模の拡大に応じて300億元に増額する計画だ。

/date/2018/05/09/00top2_2.jpg翟健華総経理(左)、聶国維広報長(右)は、かつてエバー航空でも張董事長を支えた重要幹部だ(8日=中央社)

厳しい新規参入

 交通部民用航空局(民航局)の関係者は、スターラックスは資金面よりも、路線開設後の国際競争が課題との見方を示した。

 張董事長は「やるからには大きな会社にしたい。キャセイパシフィック航空やシンガポール航空並みの規模にしたい」と夢を語る。しかし、人口2,350万人の台湾で、新たなFSCの成功は可能なのか。2016年に復興航空(トランスアジア航空)が撤退した他、破綻から復活した遠東航空(ファーイースタン航空)も昨年経営問題が指摘されるなど順調ではないもようで、新規参入は非常に厳しい市場であることがうかがえる。

ハイエンド客に照準

 これに対する張董事長の戦略は、「アジア市場全体で競争する」「ハイエンド客をつかむ」というものだ。

 張董事長は、「台湾は単なる離着陸拠点とし、主要市場とはしない。キャセイ航空やシンガポール航空と同様に、アジア全体を市場とし、米国、欧州へのトランジット需要をつかむ」と発言。そして、アジア市場は非常に大きく、ローエンド、ハイエンド市場があるとして、キャセイ、シンガポールが高運賃戦略を取っていることを引き合いにしつつハイエンド市場を開拓する意欲を示し、「台湾大手2社とはあまり競合関係にならない」との認識を示した。

 同戦略について開南大学空運管理学系の盧衍良副教授は、「正しい方向だ。顧客の評価を得られれば、全く新たなブランドとして差別化できる」と評価した。

 それでも台湾の航空会社である以上、充実した路線網を持つ中華航空、安全性・サービスが高い評価を受けるエバー航空との競争は避けられないはずだ。スターラックスの挑戦が果たして実を結ぶのか、市場の反応が今から注目される。

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