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自動車離れと公共交通利用、顕著に


ニュース 運輸 作成日:2008年5月26日_記事番号:T00007691

自動車離れと公共交通利用、顕著に

 
 台北市の昨年の自動車登録台数が初めて前年を下回ったことが同市監理処の統計で明らかになった。一方、市内バスや都市交通システム(MRT)の1日当たりの利用者は過去2年で約36万人と急増しており、ガソリン価格の高騰などによって自動車離れと公共交通機関の利用が進んでいることが分かる。同市交通局では、「市内の1日当たりの自家用車利用は延べ10万台減少し、道路交通の状況が大幅に改善した」と指摘している。26日付中国時報が報じた。
 
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 台北市監理処に登録されている自動車の台数は、2007年は72万8,277台で、前年の73万1,755台から0.48%減少した。通年ベースでの減少は初めてで、今年1~4月の登録台数も72万5,358台と引き続き減少を続けている。

 同市が受け付けた07年の新車登録台数は10万5,315台で、前年の11万181台から4.4%減少した。06年はクレジットカード破産問題の深刻化で前年比19.84%ものマイナスを記録しており、07年のマイナス幅は大幅に改善してはいるが、依然落ち込みに歯止めがかかっていない。07年の数値は05年比では23.4%もの下落となる。なお、監理処によると今年3月と4月の月間登録台数は各4,000台余りとさらに減少が進んでいるという。

高速バスの値下げも影響
 
 新車購入の減少は全土的な現象で、交通部の統計によると、07年の新車登録台数は36万6,022台で、前年比9.6%、一昨年比では32.9%もの減少となった。

 昨年は自家用小型車の登録台数が約7,000台減少した一方、営業用車両は約2,000台増加した。自家用車から営業用車両への登記変更は2万件を超え、特にタクシーの増加は失業した中高年男性がタクシー運転手に転じるケースが多いことを物語っている。

 こうした傾向について交通部路政司の許俊逸司長は、「ガソリン価格の高騰によりドライバーの4割が自家用車の利用を減らしており、登録台数の減少は当然だ。高速バスの値下げ競争も、自家用車の運転をやめてバス利用に切り換える動きを加速している」と説明した。

市内バス、年内値上げせず
 
台北市交通局によると、今年のMRTの1日当たりの延べ利用者は124万人で、一昨年の104万人から19.3%増加している。市内バスの1日当たりの延べ利用者は今年は183万人で、一昨年は167万人、前年は171万人と、今年に入ってからの伸びが顕著だ。  

 公共バスは利用率の向上により、さまざまな物価が上昇する中、年内は値上げが行われない見通しとなっている。