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石油・化学
作成日:2008年5月27日_記事番号:T00007710
中油の損失、下流メーカーに埋め合わせ要求
台湾中油が石油化学事業の損失について、下流メーカーに利益の一部を還元して埋め合わせるよう要求していることが分かった。下流メーカーからは、「大手の上流企業が金銭を要求するのは道理に合わない」という不満の声もでている。27日付経済日報が報じた。
中油によると、今年ナフサのスポット価格が1トン当たり800米ドルから1,100米ドルに上昇したことに伴い、中油の石化事業は1~4月で23億3,000万台湾元(約79億円)の損失を計上した。
このため、中油の黄登祥石化事業執行長は今月20日、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)、台湾聚合化学品(USI)、亜洲聚合(アジア・ポリマー)、台湾スチレンモノマー、国喬石油化学(グランド・パシフィック・ペトロケミカル)、東聯化学(OUCC)、中国人造繊維(CMFC)など10社余りの下流石化メーカーに対し、利益の一部を中油に還元するよう求めた。
還元額は中油から購入した原料1トン当たり10~20米ドル、今年の1月にさかのぼって徴収する計画で、実現すれば中油は60万米ドル余りを得ることになる。
この計画について中油は、「以前、石化製品の市場が低迷した際、下流メーカーが経済部を通じて当社の原料価格の値下げを求め、その結果3~5%の値下げが実現したことがある。中油と下流メーカーの協力関係は、『流れること水のごとし』だ」と、困難なときは協力し合うべきと説明した。