ニュース 金融 作成日:2018年5月23日_記事番号:T00077179
銀行の現金自動預払機(ATM)から現金を引き出すのに、キャッシュカードもスマートフォンも必要なくなる。玉山商業銀行(Eサン・コマーシャル・バンク)は22日、「顔認証ATM」を今年下半期に台湾銀行業界で初めて導入すると発表した。金融業界が近年進めている、生体認証のサービスへの応用が新たな段階に入る。23日付工商時報などが報じた。
顔認証ATMは、利用者がATMのカメラに顔を認識させ、暗証番号を入力すれば操作できる。指紋認証や指静脈認証と異なり装置に接触する必要がないため、ユーザーの負担が軽い。玉山銀は、顔認証ATMは生体検知、超高速識別、暗証番号の3つの安全メカニズムを設けており、利用を本人に限定でき安全だと説明した。同行では現在、行員によるテストを進めている。
双子など本人とそっくりな人物を別人と識別できるかについて同行は、テストの結果、0.3秒で識別できたと説明した。
顔認証システムは、アップルのiPhoneX(テン)での採用がよく知られている。台新国際商業銀行(台新銀行)は昨年、顔認証によって同行のアプリを利用できるサービスを、iPhoneXユーザー限定で始めている。
生体認証の導入相次ぐ
台湾銀行業界では、シティバンク(花旗銀行)、玉山銀、台新銀、中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)などが生体認証の導入に積極的だ。
シティバンクは2016年、業界の先陣を切って声紋認証システムを導入。資産運用センターへの電話を通じて15秒での本人確認を可能にした。
中信銀は初めて指静脈認証システムを導入した。また、台北市の東湖支店(内湖区)では、来店客の性別や年齢などを識別するための顔認証システムを導入した。
玉山銀は、最新テクノロジーの導入面で台新銀をライバルと目しているとみられている。台新銀は4月に台北市で開かれた「未来商務展(フューチャー・コマース)」で、台湾銀行業界で初めて、顔認証によって現金の引き出しや振り込みができるATMを展示していた。台新銀も顔認証ATMを展開する可能性は十分にある。
このほか、合作金庫商業銀行(TCB)は早ければ7月にも、モバイルバンキングに顔認証を導入する計画と伝えられている。
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