宏碁(エイサー)のブルーレイディスク(BD)ドライブ搭載ノート型パソコン(ノートPC)、「Aspire 8920G(18.4インチ型)」と「Aspire 6920G(16インチ型)」の、世界市場全体の販売台数が2カ月連続で10万台を超え、人気となっている。低価格戦略が功を奏した格好で、今後さらに15.4インチ型、14インチ型と積極的に新製品を投入していく。27日付蘋果日報が報じた。
勢い止まらず
エイサーは4月初め、6万台湾元(約20万円)以下からの価格で他社に先駆けてブルーレイノートを発売した。その後約2カ月が経過したが、販売は伸び続けており勢いが弱まる気配はないという。エイサーの林顕郎台湾区業務総経理は、「価格、ディスプレイサイズともに他社製品と重複しておらず、さらに販売業者への流通マージンを高く設定していることから、域内では追加発注が4月に800台、5月は1,700台に上った」と語る。
エイサーのブルーレイノート2機種のうち、6万元を切る16インチ型がより人気で、5月の販売比率は、7万元近い18.4インチの4割に対し16インチが6割を占めている。
各メーカーも対抗
新世代DVD規格のBDへの統一が決定的となって以降、各ノートPCメーカーによるBD対応機種の発売が相次いでいる。エイサーが最も積極的で、ヒューレット・パッカード(HP)やデル、華碩電脳(ASUS)などがその後を追う。HPは20インチ型、エイサーは18.4および16インチ、ASUSは15.4インチと各社ともBDノートでは大画面機種に主眼を置いている。
ASUSによると、同社製品の世界市場での単月販売台数は1万台前後にとどまっているが、「ハイエンド機種を選択しており、現在は販売台数が目標ではない」としている。
ドライブメーカーも相次ぎ量産へ
光ディスクドライブメーカーも先を争ってBD市場参入の構えをみせている。ただ現在、従来型の記録型DVDドライブの大幅な値下げが続いており、市場調査機関IDCによると、「今年は『ブルーレイ元年』と言えるが、コストの高さから、BDが市場の主流になるのは2012年以降」との見方を示した。
しかし、業界の見通しはより楽観的だ。3年前1台500~600米ドルだったBDドライブ価格は、現在110~120米ドルまで大幅に下がっており、建興電子科技(ライトンIT)や広明光電(クアンタ・ストレージ)も量産態勢に入っている。またマイクロソフトがXbox360のBDドライブ搭載機種を発売したことなどから、今年は70米ドルを切り、世代交代が加速するという予測が出ている。