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バナナ価格暴落、1キロ=1元も


ニュース 社会 作成日:2018年5月31日_記事番号:T00077357

バナナ価格暴落、1キロ=1元も

 現在収穫期を迎えているバナナの価格が暴落している。産地価格が1キログラム当たりわずか1台湾元(約3.6円)というケースも出ており、農家が悲鳴を上げている。

/date/2018/05/31/18kakomi_2.jpg郭泰呈さん。今年は通年でバナナ1,000トンの輸出を目指している(31日=中央社)

 農家の惨状を見かねた嘉義県の何子凡県議が28日に自身のフェイスブック(FB)ページに投稿した記事によると、現在バナナの産地価格は1級品で1キロ当たり6元、2級品で3元、3級品はわずか1元まで暴落しているという。

 これについて行政院農業委員会(農委会)農糧署の蘇茂祥副署長は、1キロ当たり6元というバナナの産地価格は夏季としては正常と指摘した。しかし農家からは、夏季は通常7~9月に最も値が下がるが今年は昨年より生産量が少ないにもかかわらず、既に例年の最低水準まで落ち込んでおり、こうした状況に政府は無策と、厳しい批判の声が出ている。

 なお嘉義県竹崎郷のバナナ農家、楊勝翔さんは、昨年も9~10月ごろに価格が急落したが、年末に出荷を迎えた「冬バナナ」が1キロ38元まで持ち直したことでようやく損益均衡を達成できたと説明。彼は、農家が値下がりを訴える際、外部の人間は高値を記録した際の価格を持ち出すが、昨年年初にバナナが1キロ120元まで値上がりした際は卸売業者はほとんど買い取りを行わず、農家は売ることさえできなかったと反論する。

 農家の間では「自助努力しか生き残る道はない」との意識が高まっており、高雄市旗山区のバナナ農園2代目、郭泰呈さんはバナナから抽出した整腸作用や生活習慣病の予防効果があるとされる難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)を使った加工品を開発。先ごろ東京で開催された展示会に出品し、好評を博したそうで、現在、1週間に10万トンのバナナが加工可能な工場を建設中だ。

 このほか高雄市、屏東県、南投県の農家と共同で日本や中国市場の開拓を進めており、今年のバナナ輸出量は前年比20%増加する見通しとなっている。日本でも再び「バナナと言えば台湾」という時代がやってくるかもしれない。