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ビットメインの新マイニング装置、TSMCなど協力か


ニュース 電子 作成日:2018年6月4日_記事番号:T00077384

ビットメインの新マイニング装置、TSMCなど協力か

 業界観測によると、仮想通貨の採掘(マイニング)装置の世界最大手、北京比特大陸科技(ビットメイン)の詹克団共同執行長が先週台湾を訪問し、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)や力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)などに対し、次世代の高効率マイニング装置用チップ開発で協力を求めたもようだ。仮想通貨の価格が急落し、市場の先行きが懸念されているが、ビットメインとの提携続行で、台湾メーカーのマイニング関連受注が期待できそうだ。4日付経済日報などが報じた。

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 ビットコインの価格は1ビットコイン=7,000米ドル台と、昨年12月の1万9,000米ドル超をピークに大幅に下落している。各国が仮想通貨への規制を強化する中、ビットメインがサプライヤーへの発注を縮小、削減したとの見方も出ていた。

 ただビットメインは、TSMCやパワーチップの技術力を利用することで、採掘者(マイナー)に対し、より効率の高いソリューションを提供し、マイニング意欲を高める考えのようだ。

 マイニングで最もコストがかかるのは電力消費で、マイナーの収益を圧迫しているため、次世代のマイニング装置は、より低消費電力でより高い演算能力が求められているとされる。

中国2位からも受注か

 マイニング装置の中国2位、嘉楠耘智信息科技が先月のサプライヤー会議で公開したサプライヤーリストにも、TSMCをはじめ、▽TSMC傘下のIC設計会社、創意電子(グローバル・ユニチップ、GUC)▽アルミ電解コンデンサーの立隆電子工業▽保護素子の聚鼎科技(ポリトロニクス・テクノロジー)──など台湾メーカーが含まれていた。

 サプライヤー関係者によると、TSMCは、嘉楠耘智信息科技の次世代ASIC(特定用途向けIC)を7月から7ナノメートルプロセスで量産する予定だ。嘉楠耘智は、従来の16ナノプロセスから7ナノに移行し、ライバルのビットメインを先行することになる。

ビットメイン、AI強化も

 ビットメインは今回の訪台で、AI(人工知能)分野での提携についても協議したとされる。ビットメインはこれまでに、パワーチップと戦略提携で合意しており、パワーチップ傘下のメモリー設計会社、愛普科技(APメモリー・テクノロジー)がAI用メモリーを供給し、パワーチップが受託生産するとされる。

 証券会社は、AIチップの応用先は幅広く、ビットメインが将来、聯発科技(メディアテック)など台湾IC設計会社の競合となるかはまだ不明としている。

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