ニュース 社会 作成日:2018年6月4日_記事番号:T00077407
2012年のロンドン五輪、16年のリオデジャネイロ五輪と台湾人選手として初めてオリンピック2大会連続の金メダルを獲得した女子重量挙げの許淑浄選手(27)が3日、けがのリハビリが進まないことなどを理由に現役引退を表明した。同競技の選手としては早い年齢での引退に各界から惜しむ声が出ている。
雲林県崙背郷出身の許淑浄選手は、小学校でバスケットボールを始めたものの、中学校の時にチームが解散。ちょうどそのころに女子重量挙げの元台湾代表、呉奇宸氏と出会ったことがきっかけとなり、同競技の道に入った。当初、両親からは「背が伸びなくなる」と反対されたが、許選手は競技を続けたい気持ちを記した手紙をこっそり両親の枕元に置いて説得したそうだ。
その後、ロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得した蔡温義氏が許選手のコーチを務めるようになると、彼女は一気にその才能を開花させた。12年のロンドン五輪(53キロ級)では銀メダルに終わったものの、16年のリオ五輪開幕直前にロンドン五輪で優勝したカザフスタンの選手にドーピング違反が発覚して金メダルを剝奪され、許選手の繰り上げ優勝が確定。直後のリオ五輪でも優勝し、見事「連覇」達成となった。
なお許選手について蔡コーチは「100年に一度の天才」と評した上、「IQ(知能指数)もEQ(情動指数=心の知能指数)も高く、努力においても天才」と称賛した。
五輪の他、アジア大会、世界選手権でも金メダルを獲得するなど目覚ましい活躍を続けた許選手だったが、長らく膝の故障に悩まされていた他、昨年米国で開催された世界選手権に出場した際にひじを痛めた。試合後に手術を受けたものの回復状況は思わしくなく、8月にジャカルタで開催されるアジア競技大会には間に合わないこと、その後すぐに始まる20年の東京五輪に向けた予選でも好成績は期待できないことから代表を他の選手に譲り、自身は現役から身を引くことを決めた。
重量挙げ選手の引退は一般的に30歳ごろとされ、35歳まで現役を続行する選手も存在する中、27歳でのリタイアは早いとの声もあるが、蔡コーチは「われわれにもどうしようもない」と説明し、「淑浄は国家の宝であり、引退は台湾の損失だ」と愛弟子の引退を惜しんだ。
引退に当たり許選手は「重量挙げ競技から離れることはあり得ない」と述べ、今後はコーチングを学び、台湾のために優れた選手を数多く育てていきたいと夢を語った。
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