ニュース 電子 作成日:2018年6月6日_記事番号:T00077443
受動部品最大手、国巨(ヤゲオ)の陳泰銘董事長は5日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の供給不足は来年も解消しないとの見方を示した。日本メーカーが電子製品向けMLCCに比べて価格が3~4倍の車載用、工業規格製品などハイエンドに注力し、ミドルエンド製品の増産はしないためと説明した。日本メーカーが需要に応えられない部分について、顧客は台湾メーカーに発注するが、この規格を供給できるのはヤゲオのみと、自社の優位性をアピールした。6日付工商時報などが報じた。
陳董事長は、ヤゲオのMLCCのBBレシオ(出荷受注比率)は2以上、チップ抵抗器は3以上と明かした(5日=中央社)
陳董事長は、MLCC供給不足は1年以上続いており、自動車の電動化が進む中、MLCC需要は何倍にも増えると予測した。
こうした中、日本の大手メーカーが来年3月で約2,500の品番のMLCCについて、受注を打ち切り、2020年3月に出荷を停止するとのうわさが流れたことについて陳董事長は、事実ならば生産能力が25~30%減り、顧客がそのうち20%未満を小型製品に切り替えるが、残りは台湾メーカーに発注すると予測。これらに対応できるのはヤゲオのみと述べた。
陳董事長は、ヤゲオはハイエンド製品の受注が欧米向けで40%、中国向けで50%以上に上り、同業他社より粗利益率が高いと説明した。なお、村田製作所の構成比はハイエンドが7割、ミドル~ハイエンドが3割とみている。
一方、中国メーカーは世界市場シェア6%で、たとえ5割増産しても、市場全体の生産能力は3%しか増えず、影響力は大きくないとの見方を示した。
ミドルエンド製品、値上げ余地
MLCC価格について陳董事長は、ハイエンド製品を100とすると、ミドルエンド製品は60~70であるべきはずが、10まで低下していたところ、値上げにより現在20~30に回復したと説明。今後も価格上昇の余地があるとの見方を示した。
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