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斉柏林監督死去から1年、『看見台湾』続編を模索


ニュース 社会 作成日:2018年6月6日_記事番号:T00077467

斉柏林監督死去から1年、『看見台湾』続編を模索

 環境問題をテーマとする空撮ドキュメンタリー映画『看見台湾』(2013年、邦題・天空からの招待状)の監督として知られる斉柏林氏(享年52)がヘリコプターの墜落事故で死去して10日で1年を迎えるのを前に、同氏が設立した映画製作会社、台湾阿布電影の万冠麗董事長は、監督が亡くなる直前にクランクインしていた『看見台湾』続編の製作について、「彼とわれわれの夢であり、最重要課題と位置付けている」と語り、実現に意欲を示した。

 『看見台湾』は公開時、見る者に台湾の自然の美しさを再確認させるとともに、進行する環境破壊の深刻さに気付かせるとして大きな話題を呼び、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットを記録。台湾の環境保護運動が盛り上がるきっかけを作った。

 昨年6月8日、斉監督は続編『看見台湾2』の製作およびクランクインを発表したが、その2日後、撮影の下見のために花蓮県豊浜郷の上空を飛行中にヘリが墜落して死亡した。

 彼の死去に対し、台湾全土に驚きと悲しみが広がるとともに、故人の意志を継いで続編を完成させてほしいとの声が各界か相次いだ。ただ、阿布電影は「斉氏は唯一無二の存在で、現時点で撮影の続行は考えられない」と表明。製作資金を提供していた台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)の鄭崇華名誉董事長も「問題は資金ではなく、監督の代わりが見つけられないことだ」と述べ、実現の難しさを語っていた。

 しかし万董事長はこのほど、『看見台湾2』がクランクインしてからちょうど1年に当たる今月8日に、同作品の製作実現を目指す「看見・斉柏林基金会」の設立会見を行うと表明。また「斉柏林影像図書館」を開設して恒常的に環境カメラマンの個人展を実施して「次の斉柏林」を見出したいとの考えを示した。

 『看見台湾2』の製作が実現するか否かにかかわらず、斉監督の残した映像を目にしたことで、環境カメラマンをはじめ環境保護に携わる多くの後継者が育つことこそ、彼の大きな遺産と言えるだろう。