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作成日:2008年5月28日_記事番号:T00007751
DRAM価格上昇予測、業界は疑念
集邦科技(DRAMエクスチェンジ)は27日、エルピーダメモリの坂本幸雄社長がDRAM価格の上昇見通しを示したことや、韓ハイニックス半導体の中国無錫工場の停電事故などを材料に、「6月上旬のDRAM契約価格が5~10%上昇するという予測を示した。しかし業界からは、6月にはっきりとした上昇が起きることはあり得ない」などと予測を疑問視する声が出ている。28日付工商時報が報じた。
メモリ業界では、今年は年初から末端市場が不振で、パソコンの内蔵メモリモジュールの搭載率も上がっておらず、また、中国市場では2月の雪害と四川大地震で需要が大幅に減ったと指摘している。
在庫水準も8週間と過去最高水準の上、瑞晶電子(レックスチップエレクトロニクス)は第1四半期の生産量の伸び率が前期比33%に達し、エルピーダメモリ広島工場の65ナノメートル6F2製造プロセスも成熟段階に入るなど、各社の新たな生産能力が取引価格の上昇にとって悪材料になっているという。
ハイニックス工場の停電も、1G(ギガバイト)のDDR2チップ1,815万個分の出荷が失われただけで、これは5月のメモリ市場全体のわずか2~3%に相当する程度で、市場への影響があるかどうか不明だ。これらの条件から、6月上旬の契約価格の上昇の可能性は低いというのが業界の予測だ。