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ガソリン値上げ、28日に前倒し実施


ニュース 石油・化学 作成日:2008年5月28日_記事番号:T00007754

ガソリン値上げ、28日に前倒し実施

 
 ガソリンなど石油製品価格の値上げが、28日午前0時より前倒しで始まった。実質値上げ幅は1リットル当たり3.9台湾元(約13.3円)で、オクタン価92の無鉛ガソリン価格は1リットル当たり33.9元(約115.5円)となった。7月からの変動価格制度の復活も決まり、ドライバーは国際原油価格の動向に一喜一憂することになる。
 
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 石油製品価格の値上げは6月2日からの実施が発表されていたが、各地のガソリンスタンド(GS)で買いだめが行われるなどの情報が伝えられたため、混乱の拡大を防ぐために政府が導入に踏み切った。しかし、値上げが発表される否や、各地のGSには日付が変わるまでに給油をしようという車が殺到して付近の交通渋滞を招いたり、売り切れになったGSではドライバーが抗議するなど騒ぎも起きた。

 今回実施された各種ガソリンの値上げ幅は12.2~13%で、依然アジア域内では最も安い水準だ。ディーゼル油は1リットル当たり4.4元(16%)の値上げで、スーパーディーゼル1リットル当たりの価格は31.9元となった。なお、28日付工商時報によると、台湾が石油製品価格を凍結していた昨年12月から今年5月までの国際原油価格の上昇率は43%に上る。
  
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値上げ額の4割を公共負担
 
 今回の値上げでは、値上げ分の4割が、石油製品の貨物税(物品税)減税や台湾中油による負担でまかなわれる。このため、ガソリンは本来値上げされるべき6.5元のうち消費者の負担が3.9元、公共負担が2.6元となる。

 貨物税は、ガソリン1リットル当たりで、従来の6.83元から5.53元へ1.3元、19.1%引き下げる。ディーゼル油は1リットル当たり従来の3.99元から2.59元へ1.4元、35%引き下げる。減税期間は11月27日まで半年間を予定しており、財政部では100億5,000万元の税収減を想定している。

 台湾中油もガソリン1リットル当たり1.3元、ディーゼル油1トン当たり1.4元を負担する。単月の負担額は42億元となる。

交通機関に補助金
 
 このほか、交通部による公共交通機関やタクシーに対する補助支給も決まった。期間は年末までの7カ月で、長距離バスや市内バスは1リットル当たり7.4元、タクシーに対する補助額は3.9~5.9元で、昨年値上げを行った地域と行っていない地域で補助額が異なる。公共交通機関への補助金は計17億元、タクシーは12億元となる。

 27日に値上げの発表を行った劉兆玄行政院長は、6月2日には値上げを行わず、7月からは変動価格制度に戻して、原油市場の動きに応じて毎月1回の見直しを行うとした。ただ、政府と中油による4割負担は継続する。