ニュース 社会 作成日:2018年6月12日_記事番号:T00077567
日本へ輸出される台湾産ライチは従来、殺虫消毒を目的とする蒸熱処理(VHT)が施されるため、外皮が黒く変色し、みずみずしさが失われることから売れ行きが思わしくなかった。これに対し、農業とは無関係の工作機械部品大手メーカーが支援に乗り出し、保存技術の研究開発(R&D)に約1,000万台湾元(約3,700万円)の資金を援助。新技術を導入した第1弾のライチが11日、日本へ向けて出荷された。
蔡英文総統(中)も第1弾輸出の記者会見に参加し、「これが台湾農業の実力」と喜んだ。左1は卓永財ハイウィン董事長(11日=中央社)
ライチの保存技術開発を支援したのは、トヨタ自動車やインテルを顧客とする工作機械部品の世界的大手メーカー、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)だ。同社の卓永財董事長は農家の出身で、50年ほど前、ライチの産地として知られる台中県太平郷(当時)で兵役に就いていた際、周辺に広がる畑のライチを食べていたことが思い出に残っていた。
その後、彼は台中に本社を置くハイウィンを創業し、事業を拡大してたびたび日本へ出張するようになったが、東京のレストランで食べるライチは黒くてパサパサしており、このことがきっかけとなって「日本人に新鮮な本物の台湾ライチを食べてもらいたい」と思うようになったそうだ。
そして卓董事長は2年ほど前、中興大学の謝慶昌教授らに保存技術の研究を依頼し、30日間にわたり黒く変色させない技術の開発に成功。取得した特許を台中市の農家に無償提供した。さらにハイウィンはこのほど、同市の青果生産者組合から初めて同技術を導入したライチ2,175キログラムを買い取り、日本へ向けて空輸した。
なお現在、台湾から日本へ輸出されるライチは100トン余りで、パイナップルやマンゴーの数百~1,000トンに比べ大幅に少なく、台湾より数倍高い価格で販売されるにもかかわらず輸出額は1,000万元足らずと、ハイウィンが提供した資金にも満たない。これについて卓董事長は「どうということはない。物事は先を見て進めなければならない。将来、台湾のライチがどんどん売れるようになると信じる」と語った。
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