ニュース 電子 作成日:2018年6月14日_記事番号:T00077598
科技部は13日、半導体発明60周年を記念してシリーズイベント「IC60-I see the future」の実施を発表した。記者会見に出席した台湾積体電路製造(TSMC)など半導体業界大手のトップからは、モノのインターネット(IoT)時代を迎え、業界の展望は明るいとの見通しが相次いで示された。14日付経済日報などが報じた。
「IC60」の発表記者会見は、多くの業界大手企業のトップが参加した(科技部リリースより)
TSMCの魏哲家総裁は「パソコン時代からスマートフォン時代へ、そして今後はモノのインターネット(IoT)時代を迎え、半導体産業は『ない所はない』から『できないことはない』へと移行する。今後の60年でさらなる発展が期待できる」と展望を語った。
メモリー設計、鈺創科技(イートロン・テクノロジー)の盧超群(ニッキー・ルー)董事長は「人工知能(AI)技術に半導体が加わることが新たな爆発力を生む。半導体産業はムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)を超え、新たな経済知能への応用で100倍、1,000倍の素晴らしい発展を遂げる」と強調した。
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)の呉田玉執行長は、台湾半導体業界は従来の「少量多種」の生産モデルから「多種少量カスタマイズ化」のサービスモデルへの移行が必須と主張した。また、従来の産業クラスターも、世界のシリコンIP(知的財産)と地域のビジネスに対応するレベルに進化させる必要があり、いずれも台湾半導体業界にとって課題でありチャンスでもあると指摘した。
呉董事長はまた、完備されたサプライチェーン、経験豊富な人材、世界のビジネスパートナーを擁する台湾半導体産業の優位性は絶大で、競争力維持のために努力が必要と強調。世界のビジネスパートナーが台湾メーカーを第一の選択肢とし続けるようにしなければならないと発言した。
張忠謀氏が基調講演
半導体は1958年9月、テキサス・インスツルメンツ(TI)のエンジニアが世界初の集積回路(IC)を発明したことが、その後の研究の基礎となった。
科技部の「IC60-I see the future」イベントは今月からスタートし、映画や業界トップへのインタビュー、若者の企業訪問、展示会、シンポジウム、フォーラムなどを通じて、半導体が世界の科学技術を変えたこと、また、台湾が半導体産業で重要な地位を占めるに至ったことに理解を深めてもらう。
陳良基科技部長は、今月5日に引退したばかりのTSMC創業董事長だった、張忠謀(モリス・チャン)氏がイベントの準備委員会名誉召集人を務めることを明らかにした。張氏は9月5日に行われる「IC60マスターフォーラム」で基調講演を行う。
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