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エビ釣り場のエビ、過剰な抗生物質検出


ニュース 社会 作成日:2018年6月14日_記事番号:T00077620

エビ釣り場のエビ、過剰な抗生物質検出

 行政院消費者保護処(消保処)がこのほど、台湾独特のレジャー施設「エビ釣り場」に対する抜き打ち検査を実施したところ、これら施設で提供されているエビの20%以上が「不合格」となり、さらに一部では安全基準の15倍に相当する抗生物質が検出されていたことが明らかになった。

/date/2018/06/14/20scampi_2.jpgエビ釣りの楽しい行楽気分が台無しだ(13日=中央社)

 エビ釣りとは主に屋内に設けられた小型プールのような釣り堀に放たれたエビを、持参または施設で借りた釣具で釣り、その場で調理して食べるというレジャーで、40年前ごろに台湾でタイ原産のオニテナガエビの養殖が行われるようになった時期に登場した。

 全盛期には全土に約3,000軒のエビ釣り場が存在したが、女性が同伴する「風俗エビ釣り」やギャンブルが行われるようになって悪評が広まりブームは下火に。しかし近年、再び愛好者が増えている他、海外メディアに取り上げられたことも手伝い、台湾独自のレジャーを経験してみたいと考える外国人旅行者も増えているようだ。

 しかし、消保処が4~5月、台北市や新北市をはじめ台湾全土のエビ釣り場47施設を対象に品質検査を行ったところ、エビ65匹の21.5%に当たる14匹が不合格となった。

 不合格となったエビのうち9匹からは抗生物質のオキシテトラサイクリンが安全基準の0.1ppmを上回る濃度で検出された。特に桃園市蘆竹区「沅泰釣蝦場」のエビからの検出濃度は1.562ppmに上った。また1匹からは同時に残留不可とされる抗生物質、テトラサイクリンが検出された他、別の5件からはオキソリン酸が基準値を超えて検出された。

 これら抗生物質は養殖場や出荷の過程で死ぬエビを減らすために投与されたとみられている。エビ釣り場の経営者は「われわれではなく、養殖業者が投与したもの」と釈明。消保処も、今後、養殖業者を調査し、違法な投与が確認されれば、処罰を行うと表明した。

 なお林口長庚紀念医院の臨床毒物センターの顔宗海主任は、エビ釣り場のエビに投与された抗生物質の量は少なく、肝臓や腎臓の機能に影響を及ぼす可能性は低いが、アレルギー反応を引き起こす恐れはあると指摘した。

 また消保処は、エビ釣り場で釣ったエビを食べる場合、生食は絶対に避け、よく水で洗ってから調理した上で、抗生物質が最も残留しやすい頭の部分は取り除くよう提言した。