ニュース 電子 作成日:2018年6月20日_記事番号:T00077673
受動部品最大手、国巨(ヤゲオ)孫会社の凱美電機(ジャミコン)は19日、LAN変圧器世界最大手の帛漢(ボスハンド)を、株式交換により100%子会社化すると発表した。効力発生日は12月11日、買収規模は約50億台湾元(約180億円)相当の予定。ヤゲオグループにとって初めての受動部品以外での買収で、モノのインターネット(IoT)、カーエレクトロニクス(車載用電子機器)、第5世代移動通信規格(5G)インフラ整備など、通信分野での商機を狙う。20日付工商時報などが報じた。
凱美の翁董事長(左)と帛漢の徐霄潔幕僚長(中)がそろって記者会見に臨んだ。数カ月の交渉を経て合意に達したという(19日=中央社)
株式交換比率は、帛漢株1株に対し、ジャミコン株0.93株の予定。帛漢は、自社ブランド「ボスハンド」を擁し、LAN変圧器の他、ノイズフィルターやDC/DCコンバーターなど、通信関連の電子製品に不可欠な部品を供給している。
一方、凱美の主要製品は、アルミ電解コンデンサー(70%)とファン(30%)。翁啓勝董事長は、売上高の40%はネットワークや電源ユニット向けで、販売先が重複しているため、帛漢の変圧器とセット販売できるようになると説明した。
また翁董事長は、ヤゲオグループは受動部品分野に限定せず、生産管理や販売チャネルの近い業種であれば、M&A(合併・買収)の対象になると説明した。現在5社と協議しており、年内に固まると見通しを示した。
ヤゲオグループの推計によると、凱美は2年以内に年間売上高が100億元に達し、インダクター大手、奇力新電子(チリシン・エレクトロニクス)と並ぶ、ヤゲオ傘下の2本柱に成長する見通しだ。
奇力新、美桀買収も発表
奇力新は20日午後、同業の美桀科技(マジック・テクノロジー)を買収すると発表した。株式交換で株式100%を取得する。効力発生日は11月30日の予定。
奇力新は、美桀買収で、製品ラインアップが充実、顧客が増え、規模が拡大し、国際競争力が高まると説明した(20日=中央社)
奇力新が美桀買収によって、ノートパソコン向けなどミドル~ハイエンドのインダクター分野を強化できる。奇力新のインダクターの世界市場シェアは従来の7%から11%に上昇し、世界3位に迫る。
ヤゲオグループの企業買収発表は、この1カ月半で4度目だ。ヤゲオは4月27日、保護部品メーカーの君耀控股(ブライトキング・ホールディングス)を公開株式買い付け(TOB)で買収すると発表、5月22日には米パルスエレクトロニクスをヤゲオ子会社が買収すると発表した。
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