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ウィストロン、スマート病院に参入


ニュース 電子 作成日:2018年6月28日_記事番号:T00077825

ウィストロン、スマート病院に参入

 電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)グループは27日、人工知能(AI)やビッグデータを活用し、医療情報を統合・共有する「スマート病院」システムを、2019年末にも恩主公医院(新北市三峡区)に導入すると発表した。プロジェクト規模は1億台湾元(約3億6,000万円)以上とみられる。特定の診療科や診療プロセスに限定せず、病院全体を網羅した台湾初の試みだ。28日付経済日報などが報じた。

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 ウィストロン傘下の馬雅資訊(マヤ・インターナショナル)と緯創医学科技、および恩主公医院が同日、スマート病院計画を発表した。

 馬雅資訊の黄崇益董事長は、これまで腎臓科、心臓科など特定の診療科でハードウエアとソフトウエアのシステム統合を行うケースがあったが、病院内の全ての診療科と診療プロセスを網羅したスマート病院は、ウィストロングループが初めてと説明した。

 恩主公医院の黄志雄院長は、人工透析装置、人工呼吸器をはじめ、麻酔、手術のスケジュールを含め、集中治療室、手術室、薬局などの全ての医療機器をつなぐことができ、医療機器の生体情報をクラウドにアップロードすることで、電子カルテが自動的に完成すると説明した。人手による入力ミスを減らしたり、医療従事者の省力化を図ることができる。

また、AIを 使ってビッグデータ分析し、患者の異常を見つけたり、経過を予測するための参考とする考えだ。

高利益率に活路

 ウィストロン傘下、緯創医学科技の黄俊東総経理は、ウィストロングループは7年前に医療分野に進出したと述べた。16年には緯創生技投資控股を20億元を投じて設立し、緯創医学科技、馬雅資訊など10社以上に出資した。昨年カナダの装着型ロボット(パワードスーツ)大手、ビーテミア(B-Temia)にも出資しており、今月上旬、アジア販売のための合弁会社設立が決まったところだ。

 ノートパソコンやスマートフォンなど電子機器の受託生産は粗利益率が3~5%と低いため、各社は医療など、粗利益率が高い市場の開拓を進めている。

 広達電脳(クアンタ・コンピューター)の林百里(バリー・ラム)董事長は先日、病院を連日訪問し、AIやビッグデータに関する提携を交渉中だと語った。仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の許勝雄董事長は、動物病院や医療用スマート衣料など、同社が医療分野で最も進んでいると強調した。

【表】