ニュース 電子 作成日:2018年6月29日_記事番号:T00077853
29日付経済日報はブルームバーグの報道を基に、IC設計最大手の聯発科技(メディアテック)が、米アップルのスマートフォン「iPhone」向けモデムチップを、米インテルに代わり、早くて来年にも供給すると伝えた。事実であれば、メディアテックにとって初めてのiPhoneサプライチェーン入りとなる。業界関係者は、メディアテック製チップがインテル製より優れているとアップルに評価されたと指摘した。アップルの他製品や他社向け受注にプラスとなり、米国事業の拡大につながりそうだ。
ブルームバーグは、ノースランド証券のアナリストのガス・リチャード氏のレポートを基に、アップルが自社製品のモデムチップをインテル製からメディアテック製に切り替える可能性がある他、アップルが自社開発を進めているとの臆測もあると伝えた。インテル製チップからの切り替えについては従来、アップルが早くて2020年にパソコン製品「Mac」での採用をやめるとの見方が出ていた。
アップルは通常、プロセッサー、モデムチップ、メモリーなど、最高規格の部品を搭載するため、第5世代移動通信規格(5G)の商用化に向け、来年5Gモデムチップのアップグレード版を採用するとみられる。証券会社は、メディアテックが今月上旬、5Gモデムチップ「Helio(ヘリオ)M70」を来年発売すると発表したのは、アップルに対するアピールとの見方を示した。
業界関係者は、アップルとメディアテックの提携は、スマホ向けモデムチップの他、▽スマートスピーカー「HomePod(ホームポッド)」▽Wi-Fi用ASIC(特定用途向けIC)▽「CDMA」通信方式のシリコンIP(知的財産権)──などが候補と予測した。
米国でASIC強化
メディアテックは、北米に研究開発(R&D)人員を派遣し、現地の営業や顧客サービスを強化しているとされる。米国ブランドからの受注獲得で、米国を本拠地とする競合クアルコムを追撃する狙いがあるようだ。
メディアテックは従来スマホやテレビ用チップなどが主力だったが、これら製品が成熟期に入ったため、近年、車載用、ワイヤレス充電、IoT(モノのインターネット)などの商機を模索している。今年4月には、米シスコシステムズの基地局設備向けASICの来年の受注をブロードコムから奪い取ったとの観測が浮上した。前回よりハイエンド製品の受注で、来年の平均販売価格(ASP)上昇につながりそうだ。
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