6月の求職シーズンを控え、104人力銀行は28日、今年度の新卒者給与調査結果を発表した。調査によると新卒者の初任給平均は、大学院卒で3万3,500台湾元(約11万5,000円)、大学卒2万8,833元、専科学校(単科大学・高専)卒2万6,202元という結果となった。大卒初任給の年間伸び率は0.7%増にとどまり、消費者物価指数(CPI)の年伸び率が3.86%であるため実質的に縮小したと言える。若者の生活は厳しさを増しているようだ。29日付工商時報などが報じた。
金融関係がスター産業
同調査によると、初任給の産業別平均では、「電子・情報関連」が2万9,895元で最高、「金融・投資顧問」が2万9,559元、「医療・保健関連」が2万8,997元と続く。金融・投資顧問業は昨年の5位から2位にランクアップしている。最近の財テクブームで同産業は成長著しく、これが初任給アップにもつながっているようだ。104の方光瑋広報経理は、「金融・投資顧問業は今年のスター産業となる」と語る。一方最下位は運輸・倉庫業の2万4,982元となった。
理工系職種が上位独占
職種別平均では、理工系の職種が上位を占めた。トップは「研究開発(R&D)エンジニア」の3万1,826元、2位は「光電・通信エンジニア」の3万1,443元、3位は「バイオテクノロジー研究開発」の3万1,219元となった。注目されるのは4位の「経営・幹部候補者」で、企業が将来の後継者育成に力を注いでいることが分かる。また、方経理によると「総務」は今年最も競争が激しい職種で、6人で1つのイスを争う状況となっている。ただし初任給は最下位の2万7,174元にとどまっている。
また、就職後の給与の伸びは大きい順に「貿易関係」、「研究開発エンジニア」、「マーケティング企画」および「プロジェクトマネージャー」となった。
企業に対する調査によると、新卒者が就職して初めて昇給を迎えるのは平均8.1カ月後で、昇進は最低でも1年4カ月後となっている。
台北を出れば年10万元の貯金
少なからぬ新卒者は、「3万以下の月給では、実家に住まない限り貯金はできない」と嘆く。台北市で一人暮らしをするある新卒者は、1カ月の家賃が約1万元、食費が8,000元、交通費2,000元、医療費その他で5,000~7,000元の支出で、「月給とちょうどトントン」になると語る。
一方中南部では、家賃が台北市の約半額で、物価も同2分の1から3分の1となる。月給が同じとすれば、中南部で生活すれば月に7,000~9,000元貯金できることになる。1年で約10万元貯まる計算だ。
ある銀行幹部によると、北部でもそれ以外の地域でも給料は変わらないため、実家が中南部にある行員は、地元支店への転勤を希望する者が増えているという。中南部で生活すれば支出が少なく、貯金もできて早くマイホームが手に入るというわけだ。