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飲酒運転で検挙の俳優、牛肉麺1千杯寄付で起訴猶予


ニュース 社会 作成日:2018年6月29日_記事番号:T00077875

飲酒運転で検挙の俳優、牛肉麺1千杯寄付で起訴猶予

 台湾のアカデミー賞と言われる「金馬奨」で最優秀主演男優賞にノミネートされたこともある俳優で、現在は牛肉麺店を経営する邵昕(シャオ・シン、50)が今年3月、飲酒運転で検挙された。彼が直ちに罪を認め、社会的弱者に1,000杯の牛肉麺を無料で提供することを申し出たことから、台北地方検察署は28日、彼を起訴猶予処分とすること決めた。

 1986年デビューの邵昕は、映画7本とテレビドラマ12本に出演。特に93年放送の台湾ドラマ『我愛美人魚』で日本の女優、酒井法子と共演したことで一気に知名度を上げた。

 またビジネスでも成功を収め、かつては火鍋店など4つの飲食ブランドを展開。1日に35万台湾元(約130万円)の売り上げを誇ったという。しかし14年に店舗の一つで一酸化中毒が発生して20人以上の客が病院へ搬送されるというトラブルを起こし、多額の賠償金を背負ったことで事業から撤退せざるを得なくなったとされる。

 翌年、台北市内に日本料理店をオープンして再起を図ろうとしたが、景気低迷の影響を受けて300万元もの損失を計上。パートナーの日本料理人との関係悪化も加わり、16年に閉店した。

 このほか、12年に株価の不正操作に関わったとして有罪判決を受けるなど俳優業以外で何かと話題になる人物のようだ。

 ただ邵昕は飲食業への興味は本物らしく、現在も妻とともに小さな牛肉麺の店を営んでいる。しかし、今年3月18日、深夜に飲食店で食事を取った後、車で帰宅途中、台北市内で検問に遭遇。検査で規定を上回るアルコールが検出されたことから公共危険罪で送検された。保釈された彼はメディアに対し「良くない模範を示してしまい、とても恥ずかしく思う」と反省を示し、深く頭を下げた。

 その後の取り調べで邵昕が牛肉麺店を経営し、調理の腕も備えていることに目をつけた検察が、「1組200元の牛肉麺セット100組を社会的弱者に提供すればチャンスを与える」と提案。これに対し邵昕は「1,000組または同量の作りたて牛肉麺を提供する」と表明。これを受けて検察官は彼を起訴猶予処分とすることを受けた。

 どうやらそれほど悪い人ではないようだが、有名人だけに日ごろの行いには気を付けてほしいものだ。