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UMC、富士通12インチ工場取得へ


ニュース 電子 作成日:2018年7月2日_記事番号:T00077878

UMC、富士通12インチ工場取得へ

 ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は29日、来年1月をめどに、富士通セミコンダクターとの日本合弁12インチウエハー工場を約576億円で買収すること、および中国子会社、和艦芯片製造(蘇州)の上海上場計画を発表した。同社は、車載用、モノのインターネット(IoT)などで、12インチ工場の成熟プロセス需要が激増しており、今後も強い需要が続くとの見通しを示した。2日付経済日報などが報じた。

/date/2018/07/02/00top_2.jpgUMCは、同社の数十年の経験と、日本の人材や高い品質により、日本や世界の顧客によりよいサービスを提供すると説明した(29日=中央社)

 同12インチ工場の運営会社、三重富士通セミコンダクター(MIFS)は現在、富士通セミコンダクターが84.1%、UMCが15.9%を出資している。UMCが来年1月1日、富士通セミコンの保有株式を取得し、100%子会社とする予定だ。

 同工場の月産能力は3万6,000枚。車載用、IoT向けなど40ナノメートル、65ナノといった成熟プロセスによる生産が主力だ。

 アナリストは、UMCは近年、先進プロセス競争から離脱し、成熟プロセスに注力していると指摘した。車載用、IoT、第5世代移動通信規格(5G)など向けに成熟プロセスの需要が高まる中、UMCの8インチ工場、Poly/SiONベースの28ナノメートルプロセス需要が高まっているという。

 ファウンドリー業界は昨年、台湾積体電路製造(TSMC)が市場シェア59%、グローバルファウンドリーズ(GF)がシェア11%で、UMCはシェア9%の3位だった。

中国8インチ工場も拡張

 今年8インチ工場の需要が旺盛だが、UMCは台湾の8インチ工場をこれ以上拡張するのは困難だ。このためUMCは、和艦の上海上場で資金を調達し、8インチ生産能力の拡大に充てる考えだ。

 和艦は、4億株を上限に新株を発行し、25億人民元(約420億円)の資金を調達する計画で、うち20億人民元を工場拡張に用いる。

 和艦は8インチの生産ライン2本を擁し、月産能力は約6万5,000枚。製造プロセスは0.5マイクロメートルから0.11マイクロまで幅広い。来年末までに月産能力を7万7,000枚まで拡大させる。

 一方、UMC傘下の聯芯集成電路製造(廈門)の12インチ工場は現在、月産1万6,000枚で、年内に2万5,000枚まで拡大する。生産能力5万枚まで増強が可能だ。

 UMCは中国ではこの他、IC設計会社の聯暻半導体(山東)を擁する。またシンガポールにも12インチ工場がある。