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桃園国際空港の管制塔、安全問題で補強へ


ニュース 社会 作成日:2008年5月30日_記事番号:T00007789

桃園国際空港の管制塔、安全問題で補強へ

 
 台湾の玄関ともいえる桃園国際空港で、約30年の歴史を持つ管制塔の安全性が問題になっている。交通部民用航空局が2007年12月に民間の土木工事専門機関に委託して行った調査で、「安全性に問題があり、即刻対応が必要」との鑑定報告が提出されたのだ。

 同空港の管制塔は高さ48メートル。1977年に建設され、79年2月から使用が始まった。毎日600機余りの航空機の離着陸に対応する。

 報告によると、管制塔の最上部に位置する八角形の指示室部分は、8本の鋼柱のさびが「目視でも分かるほど」で、そのうち5本はすでに穴が開いていた。屋根部分はさびによる腐食率が63%に達し、建物部分は亀裂やコンクリートの中性化現象が見られる。

 ところが、この報告を受けた民航局は、新たに台北市と台湾省構造技師公会に調査を依頼。両者は「今すぐに危険はないが、補強が必要」との鑑定結果を出し、優先度の高い順に、「取り壊して別の場所に再建する」、「取り壊して現在の場所に再建する」、「8本の鋼柱を全て取り替えて補強する」という3種類の提案を行った。

 管制塔を建て替えるとなると、空港は閉鎖を余儀なくされるため、民航局は鋼柱を取り替える第3の案を採用。現在、建物の補強を行う業者を決める入札を実施しているという。

 万一、地震が発生し、管制塔が使えなくなった場合、1日当たりの損害額は3,000万台湾元(約1億500万円)以上に上る見通しだ。2011年には2億元を投じ、新しい管制塔を建設する計画だというが、それまで何ごとも起こらないよう祈るしかない。