ニュース 社会 作成日:2018年7月2日_記事番号:T00077902
陸海空軍の基地が集まる高雄市にはかつて、1949年に国共内戦に敗れ、台湾へと逃れた国民党政府と行動を共にした軍人とその家族が集住した地域、「眷村(けんそん)」が数多く存在した。しかし時代の移り変わりや建物の老朽化に伴い、解体が進んでいる。こうした中、同市は眷村の独特な景観と文化を、歴史の記憶として保存する取り組みを進めている。
民宿に生まれ変わった高雄市の眷村家屋。レトロな雰囲気を味わえそうだ(29日=中央社)
高雄市は2014年、左営区の「建業新村」や鳳山区の「黄埔新村」など市内90ヘクタール余りの眷村エリアを対象に、その独自文化を保存しつつ活性化を図ろうと新たな入居者を募る「以住代護(住んで保護)」計画を立案。これまで91棟の住宅に新たな入居者を迎えてきた。
新たな住人は従来、眷村の建物を住居または作業場として使用することしか認められず、営利事業は管理機関の国防部によって禁止されていた。
しかし国防部との交渉を経て高雄市政府は29日、眷村の建物を利用した民宿の営業を認める方針を発表した。さっそく、建業新村の14棟、黄埔新村の13棟について民宿経営の申請受付を開始した。
高雄市文化局の尹立局長は、民宿経営が可能となった建物は1年をかけて基本的なリフォームを実施しており、希望者は内装工事と使用許可取得、営業登録を行えばすぐにでもオープン可能だと説明した。
民宿経営に対し市から補助金は支給されないが、5年間の入居契約のうち、最初の2年間は賃料や権利金が無料となるため、経営者は当初、初期投資は内装費を負担するだけで済むという。
近い将来、台湾現代史が生んだ独特な文化を、身をもって体験できるユニークな民宿が誕生しそうだ。
なお、眷村の建物には日本統治時代の日本風家屋を流用したケースが少なくない。特に左営区の「明徳新村」では条件の良い日本風家屋が多かったため、海軍の上級軍人が多数住んだことで知られ、「将軍村」の別名で呼ばれている。
高雄市政府は、清朝時代の城跡「左営旧城」公園内にある「眷村文化館」を明徳新村に移転し、当時の景観を再現した「台湾眷村文化園区」を今月28日にオープンさせる予定だ。
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