ニュース 電子 作成日:2018年7月3日_記事番号:T00077904
スマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)は2日、桃園工場の従業員1,500人を9月末までに解雇する計画を明らかにした。全世界の従業員6,450人の23%に相当する。スマホ市場シェア低迷から抜け出せない中、新事業のバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)端末も大量出荷に至っておらず、HTC再起のシナリオは不透明なままだ。3日付経済日報などが報じた。
HTCは3日、桃園市政府労働局に大量解雇計画書を提出した。桃園工場は主にスマホとVR端末「Vive」を生産しており、従業員は4,077人。台湾人1,500人、外国人労働者200~300人が職を失う。
HTCは2015年8月にも海外拠点を中心に15%、約2,200人の人員削減を行っている。当時の従業員は全世界で約1万5,000人。今年1月にはグーグルのスマホ「Pixel(ピクセル)」受託生産部門をグーグルに11億米ドルで売却し、研究開発(R&D)人員の2,000人をグーグルに移管した。
グーグルへの売却益で、今年第1四半期の純損益は12四半期ぶりに黒字に転換した。ただ、営業損失は51億8,000万台湾元(約190億円)と、12四半期連続の赤字だった。HTCブランドの昨年スマホ出荷台数は400万台にとどまり、今年は200万台に半減すると予想されている。絶頂期だった11年には、4,500万台売れており、既に10分の1以下だ。
VR規模、スマホと桁違い
証券会社は、もはやスマホ事業の回復は困難で、早期に「Vive」を大量出荷に持ち込めない限り、数年でキャッシュを食いつぶすので、人員削減や生産ラインの縮小はやむを得ないと分析した。HTCの第1四半期末時点の現金残高は458億元で、運転資金で計算すると、このままでは4年しか持たない。
HTCは、VR事業を特に中国市場で注力しており、「Vive」の中国VR市場シェアは過半を占める。ただ、仮に今年10万台売れたとしても、スマホが中国で四半期に1億台近く売れるのと比べれば、桁違いだ。
王雪紅(シェール・ワン)董事長は先月の株主総会で、「今年は利益を出せる」と力説したところだ。しかし、人員削減計画の発表を受け、HTCの3日株価は52.8元と、前日比6.71%下落した。
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