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ファミマのビールソフト、保護者から憂慮の声


ニュース 社会 作成日:2018年7月4日_記事番号:T00077953

ファミマのビールソフト、保護者から憂慮の声

 コンビニエンスストア大手、全家便利商店(台湾ファミリーマート)が6月に発売したビール味のソフトクリームについて、「子供がアルコールに接するきっかけを作ることになる」などと憂慮する声が保護者から上がっている。

 台湾では「たばこ・酒管理法」によりアルコール濃度0.5%以上の飲料を「アルコール飲料」と規定しており、0.5%以下は「食品」とみなされる。ファミマのビール味ソフトはアルコール濃度0.5%とうたっており、食品に当たる。このため、少量とは言え、アルコールを含む商品を未成年でも購入できることになる。

 さらに同チェーンでは販促の一環としてビール味ソフト購入者にビール引換券を提供しており、子供が「本物のビール」を手にする可能性が高くなるとして30人近い保護者が財団法人消費者文教基金会(消基会)に苦情を申し入れたという。

 これを受けて消基会は3日、未成年者に対するアルコールを含む食品や飲料の販売、およびアルコール飲料の引換券提供による販促手法に反対するとの声明を発表。同時にアルコール飲料の規定を世界で最も厳格な欧州連合(EU)に倣い「0.05%以下」に引き下げるよう政府に呼び掛けた。

 なお台湾大学の研究によると、台湾における飲酒経験率は2004年の45.4%から14年には58.8%に上昇。特に若者の経験率が日増しに高まっており、アルコール中毒など健康面の問題や飲酒運転による事故など社会面の問題に取り組む専門家や団体から懸念が示されている。

 また台湾では「児童および少年福利・権益保障法(児少法)」により未成年に酒類を提供してはならないと規定されているものの、日本の「未成年者飲酒禁止法」のような法律は存在せず、比較的子供が酒類を口にしやすい環境にあるようで、小学生を対象に実施した調査では36%の児童に飲酒経験があったという。さらに学校周辺におけるコンビニの密集率が高いほど、児童の飲酒経験率も高いそうだ。

 日本に比べ台湾では飲酒をしない人が多いイメージがあるが、飲酒に対して良識を働かせる風潮が根強いことが今回の一件を通じて見て取れる。