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午後4時に「停班停課」、帰宅集中で交通大混乱


ニュース 社会 作成日:2018年7月11日_記事番号:T00078087

午後4時に「停班停課」、帰宅集中で交通大混乱

 台北市政府はきのう10日午前10時、台風8号(アジア名・マリア)の接近に伴い、午後4時から市内の公共機関・学校を休みにする「停班停課」の措置を取ると発表した。これにより、民間企業の多くでも同時刻で業務を終了し、従業員を一斉に退勤させたことから、市内の道路では大渋滞が発生。都市交通システム(MRT)や路線バスも帰宅する人であふれかえり、イライラを募らせる市民から批判の声が上がった。

/date/2018/07/11/18kakomi_2.jpg台北MRTの駅は、立錐(りっすい)の余地もないほど利用者であふれかえった(10日=中央社)

 台北市では通常、サラリーパーソンの退勤時刻が午後5時から7時に分散しているが、10日は午後4時に帰宅者が集中したことで交通の大混乱につながった。

 市内の道路は4時以降、帰宅するマイカー通勤者の車両であふれ、特に内湖区の内湖科技園区(内科)と南港区の南港軟体園区(ソフトウエア園区)周辺では渋滞が深刻となった。内科で働く市民によると、車で会社を出て1時間たってもまだ内湖区を出られなかったそうだ。

 こうした事態に対し、台北市議からは「交通当局や運輸業者と十分に対応を協議したのか」「交差点に交通整理要員の姿もなかった」など、対策のまずさが指摘された。

 ただ台北市政府によると、この日午後3時には主要幹線道路や市外との連絡道路で青信号の秒数を長くしたり、4時には交通整理のため警察官を交差点に配置するなど、ラッシュ時の交通管制措置を前倒しして導入していたそうだ。しかし、帰宅車両の集中が予想を上回っていため、道路の混雑は午後5時前後にピークを迎え、正常な状況に戻ったのは午後7時過ぎだったという。

 またMRTでも深刻な混雑が発生。板南線や淡水信義線、松山新店線では列車を増便し、運行間隔も短縮するなどの対策を講じたものの、一部駅では改札からホームへたどり着くまでに10分を要し、さらに列車を3本やり過ごした上でようやく乗車できるといった混雑ぶりだった。必死の思いで我が家にたどり着いた市民からは「いつもなら5時に会社を出て6時に帰宅できるのに、きょうは4時に退勤して家に帰ったのは7時になった」との声も上がった。

 対応のまずさに柯文哲台北市長のフェイスブック(FB)ページには苦情コメントが殺到。これを受けて市長は「今後は『午後4時に停班』とは言わず、『夜は出勤不要』という言い方に改め、帰宅者が集中しないようにする」と、ユニークな案を提示した。