ニュース 社会 作成日:2018年7月12日_記事番号:T00078111
仮想通貨の採掘(マイニング)装置を稼働させるための電気代を抑える目的で電気メーターを故意に故障させたとして、電気窃盗の罪で起訴されていた男に対し嘉義地方法院は11日、懲役8月の有罪判決を言い渡した。男は2016年以降に178万台湾元(約650万円)分の電力を台湾電力(台電、TPC)から盗み取っていたという。
嘉義県東石郷の郷長選挙に立候補した経験を持つ地元の有力者である黄石吟被告は、郷内に設置したトタン張りの小屋の中に200台のマイニング装置を設置し、うち150台を常時稼働させていたという。
仮想通貨のマイニングには四六時中マイニング装置を稼働させる必要があり、黄被告の小屋では2016年6月の電力使用量が2万キロワット時(kWh)、電気代にして11万元近くに上ったそうだ。またマイニングの利益は主に仮想通貨の相場と採掘に掛かる電気代によって左右されるため、電気代を抑えれば抑えるほど利益が増えることになる。
これに目を付けた黄被告は、16年6~8月の間に電気メーター1個を故障させる手口で電力を盗み取り、月に8万元のコストダウンに成功。さらに17年2~4月に2個目のメーターも故障させ、電力使用量を小さく見せかけていた。しかし同年5月にTPCがこれに気付き、警察を伴って小屋を調査に訪れて犯行が発覚した。
公判で黄被告は、マイニングは83歳になる母親が行っていたもので、メーターの細工も彼女が電気代を抑えるためにやったと主張。しかし裁判官は、母親が電気回路やその使用状況についての知識が無いこと、および黄被告がビットコインの相場に精通していたとの証言を基にこれを退け、犯行は被告が主導したとの判断を下した。
ちなみに一時は1ビットコイン=2万米ドル近くまで上昇したビットコインの相場は現在同6,000米ドル余りまで落ち込んでいる。利益を上げるための電気代が捻出できなくなってマイニングから撤退するケースが増えているそうだ。
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