ニュース 社会 作成日:2018年7月16日_記事番号:T00078166
高速道路のトンネルとしては台湾最長の約13キロメートルの長さを持つ雪山トンネル(新北市坪林区~宜蘭県)では、夏季にトンネル内部の温度が高くなり過ぎるため、走行する車両を発火させる危険性があるとして、このほど備え付けの大型送風機でトンネル内の空気を冷却する試みが実施された。
雪山トンネルの交通状況を監視する坪林交通控制中心の林錦堂主任によると、トンネル両端の出口は、坪林側の方が宜蘭・頭城側よりも約100メートル高く、北上する車の排ガスによって坪林側の出入り口付近は温度が上昇し、通常時に42~43度、冬季でも39~40度に上る。8年前には56.5度もの高温が計測されたが、同時刻、頭城側の出入り口付近の温度は33度にすぎなかった。
トンネル内が過度に高温になる問題を解消するため、坪林交通控制中心では数年前、スプリンクラーを設置して水をまいてみた。温度は若干低下したものの、霧が発生して視界が悪くなったり、路面が濡れることで滑りやすくなる問題が浮上し、正式導入は見送られた。
今回、実験が行われた新作戦は、トンネル内の換気用に設置された40基余りの送風機(ジェットファン)を活用するもの。送風機は本来、内部の一酸化炭素濃度が75ppm(ppmは100万分の1の濃度)を超えたり、煙塵の濃度が上昇した場合にのみ、自動的に始動する仕組みだが、7月4日より毎日午前3時から5時の2時間、強制的に稼働させて温度変化の調査を実施している。
その結果、トンネル内の温度を約2度低下させる効果があったが、一方で送風機を毎日2時間稼働させることで、電力費用も月間100万台湾元(約370万円)増加することが明らかとなった。
これについて専門家は「早朝に送風機を稼働させても温度は若干低下するだけで、しかも交通量が増えればすぐに温度は上昇する」と指摘。トンネル内の温度が危険なレベルに達した場合に送風機を稼働させ、それでも状況が改善しなければ交通規制を敷くといった対策を導入すべきと提言した。
雪山トンネルの送風機導入実験は9月まで実施される予定だ。
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