ニュース 運輸 作成日:2018年7月17日_記事番号:T00078168
桃園国際空港のアクセス路線、桃園機場捷運(桃園空港MRT=都市交通システム)は、早ければ10月1日から、運賃を一律10台湾元(約37円)値下げする。続いて台北MRTと同じ運賃計算方法も検討する。桃園MRTの運営会社、桃園大衆捷運(桃園メトロ)の劉坤億董事長は、値下げにより運賃収入が年間1億3,200万元減少するものの、利用客数が8%増加すればトントンだと説明した。台北MRTの約2倍という高い運賃設定の見直しで、通勤客のてこ入れを図る。17日付自由時報などが報じた。
桃園機場捷運は、桃園空港利用者の足としてすっかり定着した(桃園大衆捷運リリースより)
桃園市の鄭文燦市長は16日、桃園MRTは昨年3月の開通以来、各種優遇プランを実施し、今年の1日平均利用客数は延べ6万4,000人へと、昨年の延べ5万7,000人から増加したと指摘した。今年上半期は2億元余りの黒字だったため、利用客に還元すると、値下げについて説明した。システム調整が間に合わない場合でも、遅くとも来年1月1日に実施するという。
桃園MRT駅を市内に擁する新北市政府は、一気に台北MRTの運賃水準まで引き下げた方が、通勤客を呼び込めると提案。桃園MRTと台北MRTで距離を通算して運賃を計算したり、乗り継ぎ割引を導入するアイデアも示した。
一方、逢甲大学運輸・物流学系の李克聡副教授は、桃園MRTの輸送量では大きな利益は見込めず、値下げしても効果は限定的と指摘した。運賃を見直すなら、各駅停車の「普通車」と停車駅が少ない「直達車」で別々の運賃を設定するよう提言した。
得票目当てか
桃園MRTの利用1回当たり平均運賃は80元と、台北MRTの22元より高い。片道160元の台北駅~桃園国際空港駅など、桃園空港の利用客が5割を占める。
桃園MRTの上半期売上高は9億8,537万元、2億2,000万元の黒字だった。ただ下半期は多くの設備の保証期間が終了し、メンテナンス費用がかさむ見通しだ。通年では1億3,000万元の赤字が見込まれる。
このため鄭市長(民進党)の運賃値下げ発表は、11月の統一地方選挙が視野との指摘もある。
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