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「故宮を台湾化」、新院長発言が物議


ニュース 政治 作成日:2018年7月18日_記事番号:T00078213

「故宮を台湾化」、新院長発言が物議

 内閣改造に伴い、国立故宮博物院長に就任した陳其南氏が「重要な任務は故宮の台湾化だ」などと発言したことが物議を醸している。18日付聯合報が伝えた。

/date/2018/07/18/18chenqinan_2.jpg故宮博物院の陳新院長。故宮の文物は中華文明の精華であり、「台湾化」は根本的に不可能といった批判も出ている(中央社)

 陳院長は16日、記者団との懇談で、「故宮の所蔵品と台湾文化を結び付け、故宮を『台湾人の故宮』にしたい」「台北の故宮博物院はずっと『台湾の故宮』とは見なされず、『北京の故宮』だ」などと発言していた。

 文化界の反応はさまざまだ。北京から台湾に故宮博物院の所蔵品を輸送した荘厳氏の息子で写真家の荘霊氏は「故宮の文物は台湾に70年も存在しており、既に台湾に根を下ろした。新院長が一線を引き、故宮が『台湾の故宮』であることを認めないのは心が狭い」と批判した。

 国立歴史博物館の廖新田館長は「『台湾化』という言葉は本来文化を指す表現だが、台湾社会では常に政治的表現と解される。政治勢力の対立で『台湾化』はしばしば『脱中国化』と同一視されるが、実際両者は同じではない」と述べ、陳新院長の発言は故宮をより台湾の文化や生活に融合させようとしただけではないかと指摘した。