ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

MOSFET再値上げ、ZTE制裁解除も好材料


ニュース 電子 作成日:2018年7月24日_記事番号:T00078292

MOSFET再値上げ、ZTE制裁解除も好材料

 24日付工商時報によると、米商務省が中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する米国企業との取引禁止の制裁を解除したことで、中国メーカーが対米輸出を楽観、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)調達を拡大し、台湾MOSFETメーカーの受注が増えそうだ。MOSFETも昨年より車載用、IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティングなど応用分野の拡大で、パソコンやスマートフォンなど向けの供給不足が続いており、第3四半期価格は平均10%上昇、第4四半期もさらに10%上昇する見通しだ。

/date/2018/07/24/top_2.jpg

 MOSFETは電子製品に不可欠な部品のため、OEM(相手先ブランドによる生産)やODM(相手先ブランドによる設計・生産)、ブランドがMOSFET生産能力を奪い合っている。受動部品やDRAM、半導体用シリコンウエハー同様に供給不足が深刻で、価格は昨年より5割上昇した。

 今年第1四半期、第2四半期にもMOSFET価格はそれぞれ5~10%上昇した。中国では、相場の2割増しでMOSFETを確保する動きもある。

 証券会社は、台湾のMOSFETメーカー、▽富鼎先進電子(APEC)▽大中積体電路(シノパワー・セミコンダクター)▽杰力科技(エクセライアンスMOS)▽尼克森微電子(ニコ・セミコンダクター)──は年内の受注見通しが立っていると指摘した。売上高の力強い成長が見込め、下半期の利益は上半期の2倍もあり得るという。

 ファウンドリー、台湾茂矽電子(モーゼル・バイテリック)はMOSFET受注が満杯のため、下半期の月産能力を6万枚へと、現在の5万7,000枚から拡大する構えだ。

IDM、納期延長

 台湾MOSFETメーカーの受注増加の背景には、IDM(垂直統合型の半導体メーカー)の▽インフィニオン・テクノロジー▽ビシェイ・インターテクノロジー▽STマイクロエレクトロニクス▽オン・セミコンダクター──などが近年、MOSFET生産能力を拡大していない上、車載用、産業用などを優先していることがある。

 下半期の需要期入りを受け、IDMはMOSFETの納期を再度延期した。低圧・高圧MOSFETは30~40週待ち、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)は30週待ちとなっている。

【表】