ニュース 金融 作成日:2018年7月26日_記事番号:T00078346
台北富邦商業銀行と聯邦商業銀行(ユニオン・バンク・オブ・タイワン)が25日、無料通話・チャットアプリ「LINE(ライン)」傘下で、モバイル決済サービス「LINE Pay(ラインペイ)」の台湾事業を担当する連加網路商業に合計約3割の出資を行うことを董事会で決定した。LINEは台湾でのインターネット専業銀行ビジネスへの参入に向けて地場銀行からの出資受け入れを模索してきた経緯があり、ネットバンク設立に向けて具体的な一歩を踏み出した形だ。26日付経済日報が報じた。
両行は連加網路の増資に応じ、新規発行株1,640万株を、1株当たり288台湾元、合計47億3,800万元(約173億円)で引き受ける。このうち台北富邦銀は31億5,800万元で19.99%を、聯邦銀は15億8,000万元で10%を出資する。連加網路も増資案を董事会で決定しており、金融監督管理委員会(金管会)の認可を待つ。
1株288元の出資額は割高との見方をもあるが、両行はLINEの決済サービスを含む事業の潜在成長力を高く評価して出資を決めたとされる。ちなみにラインペイはLINEの膨大なユーザー数を基盤に台湾のモバイル決済で最も利用者が多く、今年1月発表の資訊工業策進会(資策会)産業情報研究所(MIC)の調査によると、ユーザーの25.2%が最もよく利用するモバイル決済に挙げた。
中信銀は「落選」
LINEによる台湾ネット銀ビジネスの参入をめぐっては、中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)もLINE側に接触していたとされる。台北富邦銀、聯邦銀とLINEの提携が決まったことに中信銀幹部は、同行は提示額が低過ぎてLINE側の評価を得られず、出資がかなわなかったと説明した。中信銀は2016年からLINEとの提携クレジットカードを発行。累計発行枚数165万枚と人気を呼び、累計消費額は2,000億元以上、現在も月間150億元の利用がある。
3連合が2枠争う
金管会は今年、ネットバンクは当初2行で、最低資本金100億元、金融持ち株会社または銀行が50%以上を出資して主導権を握るとの認可条件を提示し、11月から3カ月間申請を受け付けると表明している。
「LINE、台北富邦銀、聯邦銀」の連合体以外では、通信キャリア最大手の中華電信と兆豊金融控股(メガ・フィナンシャル・ホールディング)、第一商業銀行(ファースト・コマーシャル・バンク)による「政府系企業チーム」、および楽天と国票金融控股の連合がネットバンク参入を目指しているとされ、このうちの2者が選定される見通しだ。
兆豊金傘下の兆豊国際商業銀行(メガ・インターナショナル・コマーシャル・バンク)と第一銀は、「政府系企業チームの戦術策定は、LINEと台北富邦銀、聯邦銀の提携によって影響を受けることはない」と表明した。
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