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ネットワーク機器も1割値上げ、MLCC価格高騰で


ニュース 電子 作成日:2018年7月30日_記事番号:T00078395

ネットワーク機器も1割値上げ、MLCC価格高騰で

 ネットワーク機器大手の智邦科技(アクトン・テクノロジー)など各社は、昨年から続く積層セラミックコンデンサー(MLCC)の価格高騰を受け、顧客に対し値上げを進めている。値上げ幅は製品によって異なり、平均すると10%以下。価格下落が続いていた台湾ネットワーク機器業界30年余りで、ブランドと受託生産メーカーがそろって値上げするのは初めてだ。30日付経済日報が報じた。

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 アクトンの李志強総経理は、MLCC価格が上昇する一方で、部品コストを反映するため顧客と交渉しており、顧客の多くが値上げを受け入れていると述べた。明泰科技(アルファ・ネットワークス)は、新規受注や追加受注を受ける際に値上げを提案し、顧客の同意を得ていると説明した。中磊電子(サーコム)、友訊科技(D-リンク)も価格見直しを進めている。証券会社によると、宏正自動科技(ATENインターナショナル)は今年、海外子会社や代理店に対する一部製品の販売価格を約3~5%引き上げた。

 一方、智易科技(アルカディアン・テクノロジー)は、1年以上前に通信キャリアと長期契約を締結しており、納期に間に合うよう出荷しなければならないので、足りないMLCCは現物(スポット)市場での調達を余儀なくされている。このため、第2四半期連結売上高は前期比6.5%増、前年同期比9.9%増の97億台湾元(約350億円)で過去最高を記録したが、利益は期待薄だ。

受動部品コスト構成比15%も

 ルーター出荷価格が20米ドルなど、ネットワーク機器は単価が低いため、受動部品価格上昇の影響を受けやすい。

 業界関係者によると、MLCCなど受動部品価格上昇で、受動部品コストが低価格ネットワーク機器に占める割合は従来の約10%から15%に、ハイエンドネットワーク機器では約3%から5%に上昇した。一方、1台当たり数百~1,000米ドルのスマートフォンの場合、受動部品コストは約0.1%に過ぎない。

【表】