ニュース 社会 作成日:2018年8月2日_記事番号:T00078493
台湾政府は環境にやさしい自転車の利用促進のため、2015年より自転車専用道路の整備計画を進め、台湾本島を一周する海線、山線の2本のサイクリングコースを指定した。交通部では今後、台湾周回コースと各地の主要鉄道駅や観光スポットを結ぶ自転車道網の整備を進めるなど、自動車やバイクに代わる移動手段としての自転車の利用率を高めていきたい考えだ。
台湾では10年前の08年、この年に起きた世界金融危機の影響で多くの企業が無給休暇を実施。休日が増えたサラリーパーソンたちがお金をかけずに楽しめるレジャーとしてサイクリングが一大ブームとなり、09年には1世帯当たりの自転車所有率が76%まで急上昇した。
これを受けて政府では09年から12年にかけて台湾全土に自転車専用道路を整備。12年末には台湾の本島を一周する、省道、県道、サイクリングロードから成る「環島1号線」を指定した。また15年からは、さらなる自転車道路網の拡充や、より自転車の走行に適した環境作り進める4カ年計画を推進。今年に入り2本目となる台湾一周コース「環島2号線」を指定した。
交通部の祁文中次長はこのほど、「第2期4カ年計画」を始動させたと表明。まず20年までに台湾一周サイクリングコースと各地域の主要鉄道駅や観光スポットを結ぶ路線を整備するとともに、交通標識の充実やルート情報や鉄道への乗り換え情報、観光情報などを提供するシステムの構築を進める方針だ。このほか、旅行会社と共同で1~2日のツアーを企画したり、台湾鉄路(台鉄)や台湾高速鉄路(高鉄)、高速バスターミナルにレンタサイクルのサービス拠点を設置するなど、さまざまな業界と連携して自転車の利用を促進する方針だ。
交通部の統計によると、1世帯当たりの自転車所有率は09年の76%から17年は54.1%に低下、1世帯当たりの平均所有台数も1.81台から1.24台に減少した。一方、毎月の自転車利用回数は09年の1人当たり平均22.2回から22.8回に増加、自転車通勤・通学者の比率も12.5%から21.1%に上昇しており、これらは「YouBike(ユーバイク、微笑単車)」など公共レンタサイクルサービスの普及が理由とみられている。
専門家は、自転車の利用率を高めるためには専用道路の充実だけでなく、サイクリングロードの緑化が鍵と指摘。自動車やバイクに囲まれて走行するのではなく、緑を眺めながらペダルを漕げるなら、当然、自転車に乗りたいという気持ちも高まるだろう。
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