3日より始まるアジア最大規模のIT(情報技術)展示会、「2008台北国際電脳展覧会(コンピュテックス台北)」で、華碩電脳(ASUS)が約8時間の連続使用が可能なバッテリーを搭載した新型Eee PC「901」シリーズを発表する。同社がブームに火を付けた低価格ノート型パソコン(ノートPC)市場で、競争力のある製品の投入によってリードを維持する考えで、今年は世界シェア5割、来年も35~40%を狙う。2日付工商時報などが報じた。
低価格ノート市場は、先行したEee PCの人気によって、ヒューレット・パッカード(HP)、宏碁(エイサー)、デルの3大ブランドが進出を表明し、台湾勢も技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)や微星科技(マイクロスター・インターナショナル)が相次いで進出を決めている。
8時間連続駆動が可能
競争激化の観測が持ち上がる中、華碩は今回、Eee PC「901」シリーズに、独自開発の超省電力技術「SHC(Super Hybrid Engine)」を用い、インテルの低消費電力プロセッサー、「Atom」を他社に先駆けて搭載することで差別化を図る。
SHCによってEee PC901シリーズは、1日の就業時間に相当する連続7.8時間のバッテリー駆動が可能だ。
また、「Atom」は低価格ノートの他メーカーも相次いで搭載を表明しているが、沈振来華碩総経理によると、「Atom」は現在深刻な供給不足となっており、HP、デルの「Atom」機種の販売計画はそれほど進んでいないとみられる。また、6月に新たに低価格ノート市場に参入を果たすのはエイサーと微星のみのため、沈総経理は、「今月のEee PC出荷量は過去最高を記録する」と強気の予想を立てている。
「Eeeファミリー」をサブブランド化
華碩はコンピュテックスで、低価格デスクトップ型パソコン「Eee BOX」も初めて公開する予定だ。施崇棠同社董事長は今後「Eee ファミリー」をサブブランドとして独立させたい考えで、今回発表するEee PC901シリーズにも、「ASUS」ブランドを掲げない方針だ。
今年は500万台を目標
Eee PCは昨年10月の発売以来、累計販売台数は200万台に上るとみられる。今後、大手ブランドの挑戦を受けるため、華碩は「過度な楽観視はできない」としつつも、「ハイシーズンに入る下半期は、戦略が当たれば1四半期期当たり200万台の販売が可能」との見方も示した。
沈総経理は年間の販売台数は500万台とみている。さらに今年「Eee ファミリー」の売上高は華碩の全売上高の2割に達し、粗利益率は10~15%となると予想している。